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事件 |
令和
6年
(ネ)
10065号
損害賠償等請求控訴事件
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控訴人(第1審被告) X 同訴訟代理人弁護士:渥美陽子、松永成高、小沢一仁 被控訴人(第1審原告) 1 のりこえねっと(以下「被控訴人社団」という。) 2 Y’こと Y (以下「被控訴人Y」という。) 上記両名訴訟代理人弁護士:神原元 |
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裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
判決言渡日 | 2025/01/30 |
権利種別 | 著作権 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
主文 |
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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事案の要旨
カメラマンである被控訴人 Yは、被控訴人社団からの依 頼に基づき、 Z( Colabo 代 表 者 )の 肖 像 写 真( 本 件 写 真 )を 撮 影 し 、被 控 訴 人 社 団 に 納 品 し た 。被 控 訴 人 社 団 は 、本 件 写 真 を使用して、男性のセクハラ行為や女性差別的言動を告発す る 内 容 の 動 画 を 作 成 し YouTube に 投 稿 し て い た と こ ろ 、 控 訴 人 は 、被 控 訴 人 ら の 許 諾 を 得 る こ と な く 、本 件 写 真 を 改 変( ト リ ミ ン グ 、 Z 肖 像 部 分 に モ ザ イ ク 処 理・本 件 イ ラ ス ト を 重 ね る 処 理 を 施 す な ど ) し た 上 、 こ れ を 「 Colabo の 活 動 報 告 書 は 嘘だらけのデタラメでした」等のタイトルの本件各動画に使 用 し YouTube に 投 稿 し た 。 控訴人の上記行為につき、被控訴人社団は本件写真の著作 権を侵害された旨、被控訴人 Yは本件写真の著作者人格権 を侵害された旨、それぞれ主張している。 |
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当事者の求めた裁判
第 2-1(1) 被控訴人社団の請求(※に請求の法的根拠を掲げる。)ア 控訴人は、本件写真を使用し、公開し、又は公衆送信して はならない。 ※ 法112条1項に基づく妨害予防としての差止請求イ 控訴人は、被控訴人社団に対し、219万4500円及び これに対する令和4年12月17日から支払済みまで年3% の割合による金銭を支払え。 ※ 主請求は著作権(複製権及び公衆送信権)侵害の不法行 為に基づく損害賠償請求、附帯請求は遅延損害金請求(利率 は民法所定、起算点は各最後の不法行為の日) 2第 2-1(2) 被控訴人 Yの請求(同上)ア 第 2-1(1)ア と 同 旨イ 控訴人は、被控訴人 Yに対し、192万5000円及び これに対する令和4年12月20日から支払済みまで年3% の割合による金銭を支払え。 ※ 主請求は著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権) 又は法113条11項に係る不法行為に基づく損害賠償請 求 、 附 帯 請 求 は 第 2-1(1)の イ に 同 じ 。 第 2-2 原審の判断及び控訴の提起第 2-2(1) 原審は、被控訴人社団が被控訴人 Yから本件写真の著作 権を譲り受けた著作権者であること、控訴人の行為が被控訴 人社団の著作権(複製権及び公衆送信権)、被控訴人 Yの 著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)を侵害するも のであることを認め、被控訴人らによる差止請求のほか、被 控訴人社団の損害賠償請求を77万円の、被控訴人 Yの損 害賠償請求を33万円の限度で認容した(金銭請求の認容部 分は仮執行宣言付き)。これに対し、控訴人が、その敗訴部 分を不服として以下のとおり控訴するとともに、原判決後に した仮払金につき民事訴訟法260条2項の申立てをした。 第 2-2(2) 控訴の趣旨ア 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 イ 前項の部分に係る被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 第 2-2(3) 民事訴訟法260条2項の申立てア 被控訴人社団は控訴人に対し、80万7556円及びこれ に対する令和6年8月1日(仮払金受領の日)から支払済み まで年3%の割合による金銭を支払え。 3イ 被控訴人 Yは控訴人に対し、34万6014円及びこれ に対する令和6年8月1日(同上)から支払済みまで年3% の割合による金銭を支払え。 |
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前提事実及び争点
第 3-1 前提事実(1) 前 提 事 実 は 、 原 判 決 後 の 仮 払 の 事 実 を 下 記 (2)の と お り 加 え る ほ か 、原 判 決「 事 実 及 び 理 由 」第 2 の 2( 2 頁 〜 )記 載 の と おりであるから、これを引用する。 (2) 原判決後の仮払 控 訴 人 は 、原 判 決 言 渡 し 当 日 で あ る 令 和 6 年 8 月 1 日 、原 判 決 で 支 払 を 命 じ ら れ た 額( 遅 延 損 害 金 を 含 む 。)と し て 、被 控 訴人社団に対し80万7556円、被控訴人 Yに対し34 万6014円を支払った。 第 3-2 争点 本件の争点は以下のとおりであるが、争点2-2及び争点 3-3については、当審において特段の補充的主張はされて いない。 (1) 本件写真の著作権の帰属(争点1)(2) 控訴人による被控訴人社団の著作権侵害の成否(争点2)(2)ア ・複製権及び公衆送信権侵害の有無(争点2-1)(2)イ ・引用の成否(争点2-2)(3) 控訴人による被控訴人 Yの著作者人格権侵害の成否(争点 3)(3)ア ・氏名表示権侵害の有無(争点3-1)(3)イ ・同一性保持権侵害の有無(争点3-2) 4(3)ウ ・名誉又は声望を害する方法による利用行為該当性(争点3 -3)(4) 差止めの必要性の有無(争点4)(5) 被控訴人らの損害の有無及び額(争点5) |
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争点に関する当事者の主張
争点に関する当事者の主張は、以下のとおり当審における 当 事 者 の 補 充 的 主 張 を 加 え る ほ か 、原 判 決「 事 実 及 び 理 由 」の 第 2 の 4( 5 頁 〜 )に 記 載 の と お り で あ る か ら 、こ れ を 引 用 す る。 第 4-1 争点1(本件写真の著作権の帰属)について第 4-1(1) 争点1:控訴人の主張ア 原判決が、本件写真の著作権が被控訴人 Yから被控訴人 社団に譲渡されたことの根拠として挙げる事情は、@被控訴 人社団が、本件写真の納品後、個別に被控訴人 Yの許諾を 得ることなく本件写真を利用していること、A Z及び Colabo が 、毎 日 新 聞 の ウ ェ ブ サ イ ト に 本 件 写 真 を 提 供 し て お り、これが被控訴人社団の包括的又は個別の許諾に基づき行 われたものであることがうかがわれること、B被控訴人社団 から被控訴人 Yへの利用許諾料の支払等がないことである。 しかし、これらは、被控訴人 Yから被控訴人社団への著 作権譲渡でなく、無償利用許諾があったとしても説明がつく こ と で あ る 。請 求 書( 甲 5 )に は 交 通 費 及 び 撮 影 費 し か 品 目 が なく、その額も7万円と低廉で、これでプロの写真家である 被控訴人 Yが著作権譲渡をしたとは考えられない。 イ 被控訴人社団が、本件各動画のうち33、34のみについ 5 て 、YouTube に 対 し 、被 控 訴 人 社 団 の「 動 画 の 」著 作 権 を 侵 害 したことを理由に公開停止を申し立てている。 件 写真の」 本 「 著作権を有するとは認識していなかった証左である。 被控訴人らは、前訴を有利にするために、本件では本件写 真の著作権が被控訴人社団に譲渡されたと仮装しているもの にすぎない。 第 4-1(2) 争点1:被控訴人らの主張 控訴人の主張は争う。 被控訴人社団は、控訴人との間の前訴及び本件訴訟を通じ て、本件写真の著作権は被控訴人 Yから被控訴人社団に移 転したことを前提に、著作権が被控訴人社団に帰属すること を主張し、その旨の陳述書を提出している。本件訴訟におい て、被控訴人 Yが上記著作権の帰属について異議を述べた こともない。 第 4-2 争 点 2 - 1( 複 製 権 及 び 公 衆 送 信 権 侵 害 の 有 無 )、争 点 3 - 2 (同一性保持権侵害の有無)について第 4-2(1) 争点2-1、争点3-2:控訴人の主張 控訴人が本件各動画において利用した本件写真には、 Z 肖像部分につきモザイク処理や本件イラストを重ねる処理等 を施したものがあるが、これについて本件写真の内容及び形 式を覚知することは不可能である。 加工のない写真を見たことのある者や、 Zの顔を知って いる者であれば、 Zの容貌を想起することがあるかもしれ ないが、それは本件写真自体から Z肖像部分の内容及び形 式を覚知できることを意味するものではない。 第 4-2(2) 争点2-1、争点3-2:被控訴人らの主張 6 シルエットやイラストを重ねていない部分からなお本件写 真の内容及び形式を覚知することは可能である。 第 4-3 争点3-1(氏名表示権侵害の有無)について第 4-3(1) 争点3-1:控訴人の主張 原判決は、法19条2項に係る主張を侵害者である控訴人 が す る こ と は 相 当 で な い と 判 断 す る が 、同 項 は 、 著 作 物 を 利 「 用 す る 者 」に つ い て 適 用 さ れ る も の で あ り 、控 訴 人 が 本 件 写 真 の著作権や氏名表示権以外の著作者人格権を侵害していたと しても、それを理由に同項の適用を排斥することはできない はずである。 被控訴人 Yは、被控訴人社団や Z 、 Colabo が 、 本 件 写 真を利用するに際し、被控訴人 Yの氏名を表示しなくても 問題としておらず、これを容認していたものというべきであ る 。被 控 訴 人 Y は 、本 件 写 真 の 利 用 に 当 た り そ の 氏 名 を 表 示 すべき旨の別段の意思表示もしていない。 し た が っ て 、控 訴 人 は 、本 件 写 真 を 利 用 す る に あ た り 法 1 9 条2項の適用を受け、氏名表示権侵害の責任を負わない。 第 4-3(2) 争点3-1:被控訴人 Yの主張 法19条2項は、利用者が著作物を利用するにあたって著 作権者表示をいかにするかを著作者に確認する等の手間を省 く規定であるから、適法な利用であることが前提となる。 第 4-4 争点4(差止めの必要性の有無)について第 4-4(1) 争点4:控訴人の主張 控訴人が写真のデータを保有していることの一事をもって、 著作権侵害のおそれがあるということはできない。 本件写真はインターネットにおいて公表されており、その 7 データは控訴人以外でも容易に取得することができる。 第 4-4(2) 争点4:被控訴人らの主張 控訴人は、本件写真を使用した動画を削除するなり差し替 えたりするのではなく、単にぼかしをいれているだけであり、 ぼかしをはずせば容易に元の状態に戻すことができるから、 控訴人の主張は失当である。 第 4-5 争点5(被控訴人らの損害の有無及び額)について第 4-5(1) 争点5:控訴人の主張 被控訴人社団から被控訴人 Yに支払われたのは7万円で あり、これは Zら3名の撮影費用及び交通費を含むもので あ り 、 Z に つ い て は 5 〜 6 通 り 、他 の 物 に つ い て は そ れ ぞ れ 5 通 り 程 度 の 写 真 が 撮 影 さ れ て い る 。そ う す る と 、本 件 写 真 の 撮影についての対価はせいぜい5000円未満である。原判 決が認定した被控訴人社団の法114条3項により算定され る損害額や、被控訴人 Yの著作者人格権侵害による慰謝料 額は過大である。 第 4-5(2) 争点5:被控訴人らの主張 法114条3項により算定される損害額や、著作者人格権 侵害による慰謝料額が、著作権の交換価値を基準にしなけれ ばならない理由はない。 なお、被控訴人社団は法114条2項により算定される損 害額に基づく請求はしていないが、控訴人が本件各動画を YouTube に 投 稿 す る こ と で 利 益 を 得 て い た こ と も 考 慮 す べ き である。 |
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当裁判所の判断
8 当 裁 判 所 も 、原 審 と 同 様 、控 訴 人 は 、被 控 訴 人 社 団 と の 関 係 で 著 作 権( 複 製 権 及 び 公 衆 送 信 権 )侵 害 、被 控 訴 人 Yとの関 係 で 著 作 者 人 格 権( 同 一 性 保 持 権 及 び 氏 名 表 示 権 )侵 害 の 責 任 を免れず、被控訴人らの差止請求及び損害賠償請求は原審が 認 容 し た 限 度 で 理 由 が あ る と 判 断 す る 。そ の 理 由 は 、当 審 に お ける控訴人の補充的主張に対する判断を下記のとおり加える ほ か 、原 判 決「 事 実 及 び 理 由 」の 第 3 の 1 〜 5( 1 2 頁 〜 )の とおりであるから、これを引用する第 5-1 争点1(本件写真の著作権の帰属)について 控 訴 人 は 、原 判 決 摘 示 の 事 情( 間 接 事 実 )は 被 控 訴 人 Yか ら被控訴人社団への著作権の譲渡を根拠付けるものではない と 主 張 す る が 、本 件 で は 、譲 渡 側 の 被 控 訴 人 Yと譲受側の被 控 訴 人 社 団 の 双 方 が 、本 件 写 真 の 著 作 権 譲 渡( 口 頭 合 意 )の 事 実 を 主 張 し 、こ れ に 沿 う 直 接 証 拠( 甲 2 〜 4 、1 4 の 陳 述 書 、 証人 A )が 提 出 さ れ て い る 。被 控 訴 人 ら が 口 裏 合 わ せ を し て 著作権譲渡の事実を仮装することが疑われる具体的な事情が あ る と い う の で あ れ ば 格 別 、本 件 に お い て そ の よ う な 理 由( 実 益 )が あ る と は 考 え ら れ ず 、以 上 の 証 拠 関 係 だ け で 著 作 権 譲 渡 の事実を認めるに十分である。 控 訴 人 は 、被 控 訴 人 ら が 、前 訴 を 有 利 に す る た め に 、本 件 写 真の著作権が被控訴人 Yから被控訴人社団に譲渡されたと 仮装している旨主張するが、本件訴えは令和5年7月5日に 提起されたところ、前訴は同年6月15日に既に弁論が終結 さ れ 、同 年 8 月 2 4 日 棄 却 判 決 が さ れ て お り( 乙 5 )、本 件 訴 えの提起が前訴を有利にするという関係にあるとは認められ ない。 9第 5-2 争点2-1(複製権及び公衆送信権侵害の有無)について 控訴人は、本件写真の Z肖像部分にモザイク処理や本件 イラストを重ねる処理を施したものについては、本件写真の 内容及び形式を覚知することは不可能であると主張するが、 モザイク処理については粗いモザイクが施されているにすぎ ず 、本 件 イ ラ ス ト を 重 ね る 処 理 を し た も の に つ い て は 、上 半 身 や 髪 の 部 分 等 を 認 識 す る こ と が で き 、ア ン グ ル の 選 択 、照 明 等 を含め、本件写真の表現上の本質的特徴を感得することがで きるものといえる。 第 5-3 争点3-1(氏名表示権侵害の有無)について 控訴人は、控訴人が本件写真の著作権又は著作者人格権を 侵害していたとしても、それを理由に法19条2項の適用を 排 斥 す る こ と は で き な い と 主 張 す る が 、同 項 は 、著 作 者 の 推 定 的意思を基礎として、著作物を利用する者の便宜を図った規 定と解されるところ、少なくとも本件写真に無断の改変が加 えられている本件において、同項の適用は前提を欠くという べきである。 また、控訴人は、被控訴人 Yが、被控訴人社団や Z、 Colabo が 、 本 件 写 真 を 利 用 す る に 際 し 、 被 控 訴 人 Yの氏名 を表示していなくても問題としていない旨主張するが、本件 写真の利用が予想される範囲の者であるからにすぎず、一律 に氏名表示を要しない意思が示されているとはいえない。 第 5-4 争点3-2(同一性保持権侵害の有無)について 控訴人は、 Z肖像部分にモザイク処理や本件イラストを 重ねる処理をしたものは、その表現上の本質的特徴を感得す ることができないものになっているから、同一性保持権を侵 10 害 し な い 旨 主 張 す る が 、 こ れ を 採 用 で き な い こ と は 前 記 第 5- 2 のとおりである。 第 5-5 争点4(差止めの必要性)について 控訴人は、本件写真のデータを保有していることの一事を もって、控訴人が本件写真を利用するおそれがあるとはいえ な い 旨 主 張 す る が 、侵 害 の 態 様 、控 訴 人 と 被 控 訴 人 ら 及 び そ の 関係者( Z 及 び Colabo) と の 関 係 性 、 前 訴 も 含 め た 本 件 の 経緯に鑑みれば、控訴人が本件写真のデータを敢えて保有し 続け消去していないことは、侵害のおそれを裏付けるものと いうべきである。 ま た 、控 訴 人 は 、本 件 写 真 は イ ン タ ー ネ ッ ト に お い て 公 表 さ れており、そのデータは控訴人以外でも容易に取得すること ができる旨主張するが、控訴人以外の者がデータを利用する 可能性があることをもって、控訴人によるデータの利用の可 能性を否定することはできない。 第 5-6 争点5(被控訴人らの損害の有無及び額)について 控訴人は、被控訴人社団から被控訴人 Yに支払われたの は7万円であり、被写体となった者3名それぞれの複数枚の 撮影費用及び交通費を含むものであるから、原判決の認定に 係る損害額は過大である旨主張する。 し か し 、こ れ ら の 要 素 を 考 慮 し た と し て も 、原 判 決 が 掲 げ る 諸事情を総合すれば、原判決が認定した損害額が過大とはい えない。密接な関連性のある者の間の著作権の譲渡価格は著 作 権 の 市 場 価 値 に 直 結 し な い も の で あ り 、ま し て 、著 作 権 あ る いは著作者人格権侵害に基づく損害額算定の基準となるもの とはいえない。 11第 5-7 結論 以 上 に よ れ ば 、被 控 訴 人 ら の 差 止 請 求 は 理 由 が あ り 、被 控 訴 人社団の損害賠償請求は77万円及び遅延損害金の支払を求 める限度で、被控訴人 Yの損害賠償請求は33万円及び遅 延損害金の支払を求める限度で理由があるから、これを認容 し 、そ の 余 は 理 由 が な い か ら 棄 却 す べ き で あ る 。こ れ と 同 旨 の 原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却 す る こ と と し 、主 文 の と お り 判 決 す る 。な お 、民 事 訴 訟 法 2 6 0 条 2 項 の 申 立 て に つ い て は 、本 件 控 訴 が 棄 却 さ れ る の で 、判 断を要しない。 |
裁判長裁判官 | 宮坂昌利 |
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裁判官 | 本吉弘行 |
裁判官 | 岩井直幸 |