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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成17ワ14972不正競争行為差止等請求事件 平成17ワ22496損害賠償等請求事件 判例 不正競争防止法
関連ワード 録音 /  再生 /  上映権 /  著作権侵害 /  差止 /  損害賠償 / 
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事件 平成 13年 (ワ) 3153号 著作権侵害差止等請求事件

原告 社団法人日本音楽著作権協会
同訴訟代理人弁護士 葛西栄二
被告B
裁判所 名古屋地方裁判所
判決言渡日 2001/10/01
権利種別 著作権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 被告は,名古屋市<以下略>「A」において,別添カラオケ楽曲リスト記載の音楽著作物を,次の方法により使用してはならない。
(1) カラオケ装置を操作して,伴奏音楽に合わせて顧客又は従業員に歌唱させ若しくは自ら歌唱すること。
(2) 店内設置のカラオケ装置を操作して,伴奏音楽を再生すること。
2 被告は,前記「A」店舗内に設置された別紙1の物件目録記載のカラオケ装置一式を上記「A」から撤去せよ。
3 被告は,原告に対し,72万7650円及びこれに対する平成13年8月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
請求
主文同旨
事案の概要
1 本件は,原告が被告に対し,被告の著作権侵害行為を原因として,不法行為に基づく損害賠償請求又は不当利得返還請求及びこれに対する訴状送達以後民法所定の年5分の割合による遅延損害金又は悪意の受益者の利息金の支払請求,侵害行為の差止め並びに専ら侵害行為に供された機械の撤去を求めた事案である。
2 前提事実(争いのない事実及び証拠により容易に認定可能な事実) (1) 原告は,著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律(昭和14年法律第67号,以下「法」という。)に基づく許可を受けた音楽著作権仲介団体であり,内外国の音楽著作物の著作権者からその著作権ないし支分権(演奏権,録音権,上映権等)の移転を受けるなどしてこれを管理し,国内の音楽使用者に対して音楽著作物の利用を許諾し,使用者から著作物使用料を徴収すると共に,これを内外の著作権者に分配することを主たる目的とする社団法人である。
(2) 別添カラオケ楽曲リスト記載の音楽著作物は,いずれも原告が著作権を管理する音楽著作物(以下「管理著作物」という。)であって,カラオケの伴奏で歌唱された使用実績を有する主要な曲目に該当し,今日,カラオケ装置を設置している一般の社交飲食店において,日常的に反復使用されている歌唱曲である。
(3) 被告は,平成9年2月4日に保健所の飲食店営業許可を受け,名古屋市<以下略>において,社交飲食店(居酒屋)「A」(以下「本件店舗」という。)を経営し,遅くとも同年10月ないし11月以降,同店舗内に営業設備として別紙1の物件目録記載のカラオケ装置一式(以下「カラオケ装置」という。)を設置し,後記仮処分決定に基づく執行により,その使用を停止した平成13年4月16日までの間,毎日,午後5時ころから少なくとも午後10時30分ころまでの営業時間中,顧客に飲食を提供する傍ら,カラオケ装置を操作して伴奏音楽を再生し,その伴奏音楽に合わせて顧客に歌唱させ,これを来集した不特定多数の顧客に聞かせ,カラオケを楽しませることによって店の雰囲気作りをし,客の来集を図って利益を上げることを意図し,営利を目的として公に原告の管理著作物を演奏歌唱して原告の演奏権を侵害した。
(4) 原告は,名古屋地方裁判所に対し,被告を債務者として,本件店舗における著作権侵害行為の差止めを求める仮処分命令を申立て(平成13年(ヨ)第94号),平成13年4月9日に仮処分決定を得て,同月16日,その執行を終了した。
(5) 管理著作物を利用する者が原告に支払うべき使用料は,法3条1項に基づき原告が文化庁長官の認可を受けて定めた「著作物使用料規程」によるものとされており,同規程によれば,床面積が60平方メートル,座席数が40席を超えない社交飲食店におけるカラオケ使用の使用料は,標準単位料金が5000円までの部分については,1曲1回(使用時間5分まで)90円とされている(甲3)。
本件店舗には,テーブル4席,カウンター8席が存する(甲7の1)。
3 争点 被告の損害額及び差止めの必要性 4 争点に関する当事者の主張 (1) 原告の主張 ア 被告は,著作権侵害行為を行っていた平成10年2月1日から平成13年4月15日までの間,本件店舗において,1日当たり少なくとも10曲の管理著作物を使用しており,1か月当たり少なくとも20日はこのような営業を行っていたから,上記期間中の原告の損害ないし被告が原因なくして得た利得を計算すると,別紙2の損害金計算書のとおり合計72万7650円となる。
イ 被告は,保全執行を受けたためにカラオケ装置を使用できなくなっているにすぎず,本件については侵害行為の差止め及び侵害行為に供された機械の撤去を求める必要性がある。
(2) 被告の主張 ア 原告の上記主張は否認する。
本件店舗は日曜定休で,月当たり25日程度営業していたが,1週間に3日程度は1人も客が来店しない日があり,月当たりの使用曲数は110ないし115曲を超えない。
イ 被告は,現在カラオケ装置を使用していない。これは,保全執行を受けたためもあるが,将来的にも使用する意図はない。したがって,差止め及びカラオケ装置を撤去すべき必要性を欠く。
当裁判所の判断
1 証拠(甲4,7の1)によれば,原告から依頼を受けた株式会社パソナソフトバンクの調査員2名は,平成12年7月15日(土曜)の午後7時20分から午後9時10分までの1時間50分の間,本件店舗において客を装って営業実態の調査をしたが,その際,被告は,調査員らの問いに対し,本件店舗は年中無休で営業しており,営業時間は毎日午後5時から午前零時までの7時間である旨答えていること,上記調査の行われた1時間50分の間に,本件店舗では,調査員による歌唱分を除いても,管理著作物11曲がカラオケ演奏され,調査員と無関係に来店していた女性客及び被告が歌唱したこと,この間に管理著作物以外の曲が歌唱されたことはなかったことが認められ,上記事実に,被告が答弁書において,仮処分執行後はカラオケを使用できなくなったことにより客が来店しなくなり,売上げがなくなったと主張していること,被告自身,月に25日程度の営業を行うことを自認していることを総合すると,上記調査が週末の賑わう時間帯において実施されたことを考慮しても,原告が著作権侵害行為を行っていた平成10年2月1日から平成13年4月15日までの間に無許諾で演奏した管理著作物の数は,少なくとも原告主張の1か月当たり200曲を下回ることはないと認められ,この認定を左右するに足る証拠はない。
2 また,前記のとおり,被告の設置したカラオケ装置は,原告の管理著作物を演奏する目的で使用されており,それ以外の音楽著作物を演奏することはほとんどなかったと認められるので,カラオケ装置は,著作権法112条2項にいう「もっぱら侵害の行為に供された機械」に相当し,撤去請求の対象となると解するのが相当である。この点につき,被告は,今後カラオケ装置を使用する予定はないと主張するが,差止め等の必要性がないというためには,単に主観的な言明のみでは足りず,侵害のおそれがないことを保障する客観的な状況を必要とするところ,被告は,前記のとおりカラオケを使用できなくなったことにより客が来店しなくなったと主張する一方,本件店舗の営業を継続していることに照らすと,本件についてはなお差止め及び侵害行為に使用した物件を撤去する必要性があると認められる。
3 以上の次第で,原告の請求は理由があるからこれを認容し,主文のとおり判決する。
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(別紙1)物件目録名古屋市<以下略>「A」店舗内に設置されたアンプ,コマンダー,マイク及びスピーカーの組み合わせからなるカラオケ装置一式以上(別紙2)損害金計算書@平成10年2月1日から平成13年3月31日までの使用料相当損害金(90円×10曲×20日×38か月)×1.05=71万8200円(消費税5%)A平成13年4月1日から平成13年4月15日までの使用料相当損害金(90円×10曲×20日×15/30)×1.05=9450円(消費税5%)合計(@+A)72万7650円以上カラオケ楽曲リスト(省略)
裁判長裁判官 加藤幸雄
裁判官 橋本都月
裁判官 富岡貴美
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