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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成17ワ16722損害賠償請求事件 判例 特許権
関連ワード 著作者 /  複製物 /  同一性 /  編集著作物 /  職務著作 /  放送 /  法人等の発意 /  著作者人格権 /  氏名表示権 /  同一性保持権 /  複製権 /  口述権 /  引用 /  登録 /  著作権侵害 /  損害賠償 / 
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事件 平成 17年 (ワ) 1720号 損害賠償等請求事件
原告 A
被告 高砂熱学工業株式会社(以下「被告会社」という。)
被告 社団法人日本計装工業会(以下「被告工業会」とい う。)
被告ら訴訟代理人弁護士 岡邦俊
同 小畑明彦
同 近藤夏
同 沼本吉晃
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2006/02/27
権利種別 著作権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
1 被告らは,原告に対し,連帯して,金600万円を支払え。
2 被告らは,連帯して,別紙2記載の新聞及び雑誌に,同記載の体裁にて,同記載の内容の謝罪広告を各1回掲載せよ。
3 被告工業会は,別紙1記載の各講習資料を廃棄せよ。
事案の概要
本件は,被告会社の従業員であった原告が,被告会社在職中に,被告工業会主催の講習において講師を務めた際,講習資料として作成した資料(「平成12年度計装士技術維持講習」のうち,「空調技術の最新動向と計装技術」に係る資料)について著作権を有するとして,被告会社において,原告の後任として上記講習の講師を務めた被告会社従業員をして,原告作成の上記資料の複製等を行って別紙1記載の各講習資料(以下,別紙1記載1の講習資料を「13年度資料」と,別紙1記載2の講習資料を「14年度資料」という。)を作成させ,被告工業会において,複製された資料を配布するなどして,共同して,原告の著作権(複製権,口述権),著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)を侵害したと主張して,被告らに対し,民法709条,710条及び719条に基づき,著作権(財産権)の侵害による損害440万円及び著作者人格権の侵害による慰謝料160万円の合計600万円の連帯支払,著作権法115条に基づき,謝罪広告を,被告工業会に対し,著作権法112条2項に基づき,13年度資料及び14年度資料の廃棄を求め,さらに,原告が原告作成の前記資料についての著作権を有することを前提として,被告らが,同資料の複製等を行って収益を得ており,それが不当利得に当たると主張して,選択的に,民法703条に基づき,600万円の連帯支払を求めたのに対し,被告らが,原告作成の前記資料は,職務著作として被告会社が著作者となり,原告は著作者ではない,職務著作でないとしても,その複製について,原告の許諾を受けている等と主張して争っている事案である。
1 前提となる事実等(争いがない事実以外は証拠を末尾に記載する。) (1) 当事者 ア 被告会社は,冷暖房,換気,衛生,水道,乾燥,蒸発,燃焼,冷凍,製氷,温湿度調整装置及び一般熱交換装置の設計,監督,工事並びに保守管理等を業とする会社である(弁論の全趣旨)。
イ 被告工業会は,昭和49年に任意団体「計装工業会」として発足し,昭和55年12月13日に,「計装工事業に関する諸問題について調査研究,経営の合理化,技術の向上およびその交流に務め,計装工事業の健全な進歩発展を図り,もって公共の福祉の向上と産業界の発展に寄与すること」を目的とする社団法人として発足した(乙4の1,12,弁論の全趣旨)。被告工業会は,計装工事業の技術の総合的調査研究等の事業を行っている(乙12)。
ウ 原告は,昭和51年11月8日に被告会社に入社し,以来,被告会社東京本店技術部,同設計部,本社技術部,東京本店計装システム部等に所属し,平成17年7月31日,被告会社を退職した者である。
(2) 計装士技術維持講習 ア 昭和59年3月,建設大臣認定資格として計装士の資格制度が発足し,その後,平成13年4月から,同制度が建設業法施行規則17条の2等に基づいて変更され,以降,被告工業会が計装士の資格の認定(計装士技術審査)を行っている(乙4の1,12)。
イ 被告工業会は,計装士の知識及び技術の維持向上のため,被告工業会内部の規程に従って,毎年1回,全国数か所の会場において,計装士技術維持講習(平成13年の改定前の名称は「計装士技術維持講習会」,以下,いずれについても「維持講習」という。)を実施し,同規程により,計装士は,5年ごとに,維持講習を受講しなければならないとされている(乙1,4の1,10の1,12)。
同規程により,維持講習の内容(範囲)が定められ,被告工業会の研修委員会が維持講習の実施を担当することとされている。被告工業会の研修委員会では,毎年,具体的な講習内容(テーマ),会員企業各社の分担などを決定している。維持講習の講師は,被告工業会の依頼を受けて会員企業から派遣された者(概ね4,5社から1名ずつ)が務め,それぞれの講師が,原則として,同じテーマで5年間継続して講習を担当することとされている(乙4の1,12)。
(3) 平成10年度から平成14年度の維持講習における講師及び講習資料 ア 平成10年度から平成14年度までの維持講習では,5個(平成10年度は4個)のテーマの講習が実施された。このうち,「空調技術の最新動向と計装技術」というテーマの講習(以下「本件講習」という。)について,被告会社から講師が派遣され,平成10年度から平成12年度までは,当時,被告会社東京本店計装システム部(以下,「被告会社計装システム部」という。)に所属していた原告が,平成13年度及び平成14年度は,同部に所属していたBが,それぞれ講師を務めた(甲9〜11,17〜20,乙7の1,7の3,8の1,8の3,9の1,9の2,15)。
イ 維持講習における講習資料は,講師を務める者が準備して被告工業会に提出し,被告工業会において,同年度に行われる複数の講習に係る講習資料を合綴し(以下,合綴されたものを「講習資料集」という。),受講者に配布している(甲9〜11,17〜20,乙7の1〜7の5,8の1〜8の6,9の1〜6,12,15)。
原告は,講師を務めた平成10年度から平成12年度の本件講習について,講習資料を作成した(それぞれ,「10年度資料」,「11年度資料」,「12年度資料」という。なお,被告らは,これらの資料が編集著作物であるとの主張もするところ,これらの資料は,他の文献等の記載を引用する部分もあるが,編集著作物であるとは認められない。)(甲9,17,20,乙7の3,8の3,9の2)。
Bは,講師を務めた平成13年度及び平成14年度の本件講習の講習資料である13年度資料及び14年度資料の作成に当たり,本件講習の12年度資料を利用した。そして,12年度資料の大部分の記述をそのまま用いて,13年度資料を作成し,それを基に14年度資料を作成した。13年度資料及び14年度資料は,12年度資料の複製物である(甲17〜19,乙4の1,5の1)。
ウ 12年度資料作成時に,原告を著作者とする旨の原告及び被告会社間の契約や,従業員作成の著作物について当該従業員を著作者とする旨を定めた被告会社の勤務規則等は存在しなかった(弁論の全趣旨)。
2 争点 (1) 12年度資料について,職務著作として被告会社が著作者となるか。(争点1) (2) 原告は,12年度資料の複製について許諾していたか。(争点2) (3) 被告らによる口述権侵害の有無(争点3) (4) 被告らによる氏名表示権侵害の有無(争点4) (5) 被告らによる同一性保持権侵害の有無(争点5) (6) 原告の損害(争点6) (7) 謝罪広告の可否(争点7) (8) 不当利得返還請求権の有無(争点8) 3 争点についての当事者の主張 (1) 争点1(12年度資料について,職務著作として被告会社が著作者となるか。)について (被告らの主張) ア 被告会社の発意 被告会社は,被告工業会から,平成10年度の維持講習の講師として原告を派遣することの打診を受けた。そこで,被告会社技術開発部長のCは,当時,原告の上司であった被告会社計装システム部長Dに原告の職務状況を確認した上で,原告を講師として派遣することが可能である旨を被告工業会に回答した。そこで,被告工業会は,平成10年5月18日,被告会社代表者宛てに講師派遣依頼状を送付した。
これを受けて,被告会社内において原告が講師として派遣されることが内定し,Dの指示により,原告から,「社外用務応嘱承認願」(乙2)が提出された。同文書には,資料の作成が社外業務の内容として明確に記載されているところ,Dは,記載内容を確認し,人事部長の承認を得た上で,同年7月上旬,原告に対し,社外用務として維持講習の講師を務めること,講習資料を同年8月31日までに作成することを指示した。Dは,原告から,提出前の講習資料の原稿の交付を受け,テーマに適合しているか,素材として利用されている資料に被告会社の営業秘密等が記載されていないか,引用図表について引用先が明示されているかなどをチェックし,問題ないと判断して承認した。なお,同原稿は,被告会社の当時の技術開発部長であったCにも提出され,チェックを受けている。
以上の経緯を経て,平成10年度の講師として派遣されることとなった原告によって,10年度資料が作成された。
被告工業会が行う維持講習は,原則として同一の講師により同一のテーマについて5年間継続して行われるものであり,被告会社も原告に対し,5年間継続して講師として派遣することを前提に指示を行った。そして,平成11年度及び平成12年度も,平成10年度と同様に,原告を講師として派遣することとし,Dは,原告に対する同様の指示を行った。
以上から,12年度資料は,被告会社の発意に基づいて作成されたものである。
イ 被告会社の業務従事者が職務上作成したこと 維持講習において,原告が講師を務めた本件講習は,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとするものであるところ,被告会社の業務は,空調装置等の設計,監理,施工等を主たる目的とするものであるから,維持講習の講師を務めること,講習用の資料を作成することは,いずれも被告会社の業務に属する事項である。
そして,当時原告の上司であった計装システム部長のDは,原告に対し,前記アのとおり,社外用務として,維持講習の講師を務めること,講習資料を期限までに作成することを指示した。
したがって,講習資料は,被告会社の業務従事者である原告が,職務上作成したものであるといえる。
ウ 公表要件 12年度資料の表紙に,講師名として「高砂熱学工業鞄結梹x店 計装システム部 部長 A」と表示されていることは,被告会社の著作名義を示したものといえる。すなわち,講師の所属社名を表示することによって,講習の内容については当該会社が最終的な責任を負うものであることを表示していることになる。
仮に,12年度資料の前記表示が被告会社の著作名義を示すものではないとすれば,12年度資料には著作名義が付されていないことになり,被告会社は,著作者名を表示しないことを選択したことになるが,この場合でも,12年度資料は,著作者名を表示することを選択して公表するとすれば,被告会社の名義を付すような性質の資料であるから,公表する場合には被告会社の著作名義を付すことが予定されており,「法人等が自己の著作の名義の下に公表するもの」といえる。
エ 小括 以上から,12年度資料は,職務著作として被告会社が著作者となる。
(原告の反論) 原告は,12年度資料を,自発的に自ら創作し,著作名義を原告として発表しており,職務著作が成立する余地はない。
ア 被告会社の発意がないこと 12年度資料の作成について,被告会社には発意がない。被告会社の関与は,原告が記載した「社外用務応嘱承認願」(乙10の2)の所属部長欄にDが押印したことのみであり,一切企画をしていないので,12年度資料が被告会社の発意に基づいて作成されたとはいえない。
被告工業会の講師派遣依頼に対して被告会社内でとられた一連の手続は,講習資料の著作の企画ではなく,原告を指名して講師委嘱をさせるための社内の手続にすぎない。
また,原告は,10年度資料の原稿をDに提出して確認を求めたことはない。原告は,自らの判断で,同原稿を,Cと,被告会社の当時の副社長であったEに提出して,著作権侵害がないかどうか,技術的内容に誤りはないかどうかの確認を受けたが,特に修正意見もなかったため,そのまま,自らの責任と判断で被告工業会に提出したものである。
イ 被告会社の業務従事者が職務上作成していないこと 原告は,被告会社の業務に従事する者ではあるが,12年度資料の作成については,業務として指示されていない。したがって,12年度資料は,原告の職務上作成されたものではない。実際にも,原告は,勤務時間以外の時間を費やして12年度資料の作成を行った。
ウ 原告の著作名義で公表していること 12年度資料は,原告の氏名が表示されており,原告の著作名義で公表したものである。維持講習では,講師が講習資料を作成することが前提であり,前例にならって「講師」という表示を付したにすぎない。
エ 小括 以上から,12年度資料については,職務著作は成立せず,原告が著作者となる。
(2) 争点2(原告は,12年度資料の複製について許諾していたか。)について (被告らの主張) 仮に,12年度資料の著作者が原告であるとしても,12年度資料の作成経緯,講習資料としての性質その他の事情を考慮すれば,原告は,12年度資料を,平成13年度以降の維持講習に用いる限度で複製することを許諾したものであることが明らかである。
また,原告の後任として講師を務めたBは,原告から12年度資料の「資料貸与料」を支払うことを要求され,講師謝金として被告工業会から支払われた金員の半額に相当する金員(平成13年度及び平成14年度,それぞれ10万円,合計20万円)を支払っている。
(原告の反論) 原告は,12年度資料の複製を,平成13年度以降の維持講習に用いることを許諾したことはない。
原告は,Bから,平成13年及び平成14年に,10万円ずつ,合計20万円を受領したが,平成13年については,Bが好意で持ってきたもので,12年度資料の貸与料として受領したものである。平成14年に受領した金員についても,維持講習の資料は毎年更新されることになっているので,Bに問い合わせて被告会社内で会って受領したものであり,同様に資料の貸与料である。
(3) 争点3(被告らによる口述権侵害の有無)について (原告の主張) 被告らは,平成13年度及び平成14年度の維持講習において,原告が著作権を有する12年度資料を複製した13年度資料及び14年度資料を,原告の許諾なく使用し,不特定多数又は特定多数の公衆に対して口頭で伝達したものであり,原告の有する12年度資料を公に口述する権利を侵害した。
(被告らの反論) 原告の主張は否認する。
維持講習における被告らの13年度資料及び14年度資料の使用行為は,他人の著作物をそのまま生で口述するものではないから,そもそも口述権の侵害行為に該当しない。
(4) 争点4(被告らによる氏名表示権侵害の有無)について (原告の主張) 被告らは,平成13年度及び平成14年度の維持講習において,原告が著作権を有する12年度資料を複製した13年度資料及び14年度資料を使用したが,その際,Bの氏名を表示して,原告の氏名を表示せず,原告の有する12年度資料の氏名表示権を侵害した。
(被告らの反論) 仮に,原告が12年度資料の著作者であるとしても,12年度資料における「講師 高砂熱学工業鞄結梹x店 計装システム部 部長 A」との表示は,被告工業会の会員企業から講師として派遣された者(多くは従業員)の表示であり,著作名義を示すものではなく,原告は,著作者名を表示しないことを選択したものであるといえる。そうすると,13年度資料及び14年度資料において原告氏名を表示しなかったことは,原告の意思に合致するものであり,原告の氏名表示権を侵害するものではない。
(5) 争点5(被告らによる同一性保持権侵害の有無)について (原告の主張) 被告らは,13年度資料及び14年度資料を複製するに当たり,原告に無断で,別紙3「変更箇所一覧表」(以下「変更箇所一覧表」という。)の「13年度資料」,「14年度資料」の各欄下線部分記載のとおり(ただし,変更箇所一覧表の番号11については,「※」を付して示したとおり,記載内容は別添1及び2のとおりである。),12年度資料の記載を改変し,原告の有する12年度資料の同一性保持権を侵害した。
(被告らの反論) 原告の主張は争う。
13年度資料及び14年度資料では,12年度資料の記載を一部改変しているが,改変箇所は,以下,その一部について述べるとおり,原告の創作に係るものではなく同一性保持権侵害を主張することができない部分であるか,又は,著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められるものであるから,13年度資料及び14年度資料の作成に関し,12年度資料に係る同一性保持権の侵害はない。
ア 変更箇所一覧表の番号3記載の12年度資料の部分は,「電気と工事」1988年4月号103ページ記載の部分を転載したものである。
イ 変更箇所一覧表の番号5記載の(3)に係る12年度資料の部分は,被告会社の社内資料(顧客説明用技術資料)記載の部分を転載したものである。
ウ 変更箇所一覧表の番号6記載の12年度資料の部分は,被告会社の社内資料(顧客説明用技術資料)記載の部分を転載したものである。
エ 変更箇所一覧表の番号11記載の12年度資料の部分は,原告が第三者作成の図面を転載したものである。
オ 変更箇所一覧表の番号14記載の13年度資料の部分の改変は,Bが,空調技術の最新動向を内容とする本件講習のテーマに即し,最新の資料を用いて最小限の範囲で行ったものであり,本件講習の資料という著作物の性質並びに利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないものである。
カ 変更箇所一覧表の番号15記載の13年度資料の部分の改変は,前記オと同様,Bが行ったものであり,著作物の性質並びに利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないものである。
(6) 争点6(原告の損害)について (原告の主張) ア 原告は,被告らによる12年度資料に係る著作者人格権の侵害により,精神的な苦痛を受けた。それを慰謝するための金額としては,160万円が相当である。
イ 被告らによる原告の12年度資料に係る著作権(財産権)の侵害によって原告が受けた損害は,被告工業会が平成13年度及び平成14年度の維持講習によって得た収入と同額であり,その金額は,以下のとおり,440万円である。
受講者1000人(1年当たり)×2年×(受講料1万3000円÷5テーマ)-諸経費80万円(講師1名当たり)=440万円 ウ 以上から,被告らが連帯して原告に支払うべき損害は,ア及びイの合計金額である600万円である。
(被告らの反論) 原告の主張は否認する。
(7) 争点7(謝罪広告の可否)について (原告の主張) 被告らによる12年度資料に係る著作者人格権の侵害により毀損された原告の名誉又は声望を回復するためには,別紙1記載の新聞及び雑誌に,同記載の体裁にて,同記載の内容の謝罪広告を各1回実施する必要がある。
(被告らの反論) 原告の主張は争う。
(8) 争点8(不当利得返還請求権の有無)について (原告の主張) 原告は,12年度資料の著作権を有するものであるから,被告らが,12年度資料を不法に利用したことによって得た収益及び講師報酬は,不当利得となり,原告は,600万円の不当利得返還請求権を有する。
(被告らの反論) 原告の主張は争う。
争点に対する判断
1 争点1(12年度資料について,職務著作として被告会社が著作者となるか。)について 原告が12年度資料を作成したことは,当事者間に争いがない。被告らは,原告が,被告会社の業務に従事する者として12年度資料を職務上作成したものであり,職務著作としてその著作者は被告会社となる旨主張するので,以下,12年度資料の作成経緯,内容等の事実関係を検討した上,職務著作の成否を検討する。
(1) 事実認定 争いのない事実,証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア 被告工業会 被告工業会は,昭和49年に任意団体「計装工業会」として発足し,昭和55年12月13日に,「計装工事業に関する諸問題について調査研究,経営の合理化,技術の向上およびその交流に務め,計装工事業の健全な進歩発展を図り,もって公共の福祉の向上と産業界の発展に寄与すること」を目的とする社団法人として発足した(乙4の1,12,弁論の全趣旨)。被告工業会は,計装工事業の技術の総合的調査研究,計装士に関する技術審査等の事業を行っている(乙4の1,12)。
被告工業会は,「本会の目的に賛同し,建設業法の規定に基づく電気工事業,管工事業,機械器具設置工事業及び電気通信工事業のいずれかの許可を受け,計装工事業を営む法人及び個人」を正会員とし,「本会の事業を賛助する者」を賛助会員としており,平成17年10月1日時点で,正会員が153法人,賛助会員が32法人となっている(乙12)。
イ 被告会社 被告会社は,冷暖房,換気,衛生,水道,乾燥,蒸発,燃焼,冷凍,製氷,温湿度調整装置及び一般熱交換装置の設計,監督,工事並びに保守管理等を業とする会社である。
被告会社は,昭和58年4月に被告工業会の会員となり,平成元年から被告会社の代表者が被告工業会の副会長を務めるほか,7委員会のうち5委員会の委員を応嘱している。
また,被告会社は,計装士資格を業務上重要な資格と評価しており,資格試験の受験費用や維持講習の参加費用を負担し,維持講習の受講を業務と取り扱っている。そのため,被告会社の総合職技術系従業員の2割前後の者が,1級計装士の資格を有しており,原告も1級計装士の資格を有している(弁論の全趣旨)。
ウ 計装士技術維持講習 (ア) 昭和59年3月,建設大臣認定資格として計装士の資格制度(1級,2級)が発足し,その後,平成13年4月から,同資格制度が建設業法施行規則17条の2に基づく制度に移行し,以後,被告工業会が計装士の資格の認定(計装士技術審査)を行うこととされた(乙4の1,12)。
(イ) 被告工業会は,計装士の知識及び技術の維持向上のため,被告工業会内部の規程に従って,毎年1回,全国数か所の会場において,維持講習を実施し,同規程により,計装士は,5年ごとに,維持講習を受講しなければならないとされる(乙1,4の1,10の1,12)。
同規程により,維持講習の内容(範囲)が定められるとともに,被告工業会の研修委員会が維持講習の実施を担当することとされ,同研修委員会では,毎年,具体的な講習内容(テーマ)や被告工業会の会員企業各社の分担などを決定している。維持講習の講師は,被告工業会の依頼を受けて会員企業から派遣された者(概ね4,5社から1名ずつ)が務め,それぞれの講師が,原則として,同じテーマで5年間継続して担当することとされており,講習資料についても,大幅な変更がされないことが前提とされている(乙4の1,5の1,12)。
(ウ) 維持講習の講習資料は,各テーマごとの資料を合綴した講習資料集が用いられる。講習資料集の表紙には,上部の囲み内に,当該年度と,「計装士技術維持講習」の文字とが2段で表示され,その下に,当該年度で行われる維持講習のテーマが箇条書きで表示され,下部に被告工業会の名称が表示されている(甲9〜11,17〜20,乙7の1,8の1,9の1,13の1〜13の4,14,15)。
各テーマの講習資料は,それぞれ表紙が付され,表紙には,上部の囲み内にテーマが表示され,下部に「講師」という表示に続いて,講師の所属部署や役職とともに,氏名が表示されている。表紙に続いて目次が設けられているが,目次の体裁は,各テーマの講習資料によって異なっており,ページ数も,各テーマの講習資料内で完結しており,講習資料集としての通しページは,付されていない(甲9〜11,17〜20,乙7の2〜7の5,8の2〜8の6,9の2〜9の6,13の1〜13の4,14,15)。
エ 平成10年度の維持講習 (ア) 被告工業会は,平成10年度から,被告会社に維持講習の講師派遣を依頼することとし,被告会社計装システム部の担当課長であった原告に講師応嘱の打診をして,原告の内諾を得た。そして,原告から具体的なテーマの設定を受け,原告を講師として派遣することを被告会社にも打診し,内諾を得た上で,被告会社に対し,同年5月18日付の「平成10年度計装士技術維持講習会講師の派遣依頼について」と題する文書(乙1)を送付した(甲34,乙1,4の1,12)。同文書には,依頼テーマとして「空調技術の最新動向と計装技術」,依頼講師として原告,また,「講習テキスト」として,「平成10年度計装士技術維持講習テキストの原稿を8月31日までに当工業会事務局長まで送付方お願いいたします。」と,それぞれ記載されている(乙1)。
(イ) 被告会社では,従業員が社外の用務に応嘱する場合,直属の上司が本社の人事部長に対し,「社外用務応嘱承認願」を提出して決裁を得ることとなっており,承認の可否は,依頼先の要求,依頼先と被告会社との関係,応嘱者の業務量などを総合的に判断して決定される。承認された場合には,勤務時間内にその業務を行うこと,被告会社の人員,機材を用いること,国内出張に関する規程を適用して出張費・日当が支給されること(ただし,外部団体から支払われる場合には支給されない。)などが認められている(乙4の1)。
被告工業会からの前記講師派遣依頼を受けて,原告の上司であったDは,原告に対し,人事部長宛ての「社外用務応嘱承認願」の作成を指示し,平成10年7月13日付けの社外用務応嘱承認願(乙2)が作成された。そして,同承認願によって人事部長の決裁を得て,原告の応嘱が承認された。Dは,これを受けて,原告に対し,被告工業会からの前記依頼文書に記載された講習テキストの作成の依頼に基づき,資料作成等の指示を行った(乙4の1)。
同承認願には,応嘱業務として,「平成10年度計装士技術維持講習会講師『空調技術の最新動向と計装技術』」と,業務の頻度として,「講師:4日間(資料作成2H×1ヶ月間)」と,記載されている(乙2)。
(ウ) 原告は,平成10年8月31日までに,被告会社の社内資料,過去に雑誌等に掲載した自らの論文,他の文献等をも参考にして,10年度資料の原稿を作成した。原告は,同原稿を,被告会社の当時の技術開発部長であったCや,当時の副社長であったEに提出して,内容の吟味や,チェックを受けた(甲34,乙4の1)。同人らからの特段のコメント等はなく,原告は,同原稿を被告工業会に交付した(甲34)。被告工業会は,原告から送付された原稿を受領し,10年度資料として,他のテーマの講習資料と合綴して講習資料集を作成した(乙12)。
(エ) 平成10年度の維持講習では,4回の講演が予定されていたが,原告は怪我による入院治療のために,3回の講演を実施することができず,被告会社の業務命令により,大阪支店の従業員が関西地区での講演を担当し,Bが関東地区での講演(2回)を担当した(甲33,34,乙5の1)。
オ 平成11年度及び平成12年度の維持講習 (ア) 維持講習は,前記のとおり,概ね,5年間同一の講師及びテーマで実施されることとされているが,被告工業会からの講師派遣依頼は,毎年依頼先の会社に送付され,平成11年度の維持講習についても,平成10年度と同様の手続を経て,被告会社計装システム部の参事となっていた原告が講師として派遣された(甲34,乙12)。
(イ) 平成12年度も,平成10年度及び平成11年度と同様,被告工業会は,被告会社に対し,平成12年6月29日付けの「平成12年度計装士技術維持講習会講師の派遣依頼について」と題する文書(乙10の1)を送付し,被告会社計装システム部の担当部長となっていた原告を講師として派遣することを求める旨の依頼をした(甲34,乙10の1)。同文書には,「昨年に引続き下記のとおり講師をお願いいたしたく存じます。」と記載され,「講習テキスト」として,「平成12年度計装士技術維持講習テキストの内容の変更又は追加を要する場合は,変更又は追加原稿を8月10日までに当工業会事務局長まで提出してください。」と記載されている。
(ウ) 原告は,平成12年度の維持講習の講師を務めることについて,被告会社内の承認を得て,講習資料の作成を行った(甲34)。講習テーマとして,空調技術の最新動向が含まれているために,最新の論文等の内容を取り込むなどして,10年度資料及び11年度資料の改訂を行って原稿を作成し,被告工業会に提出した。原告の原稿は,12年度資料とされ,従前の年度と同様,他のテーマの講習資料と合綴されて講習資料集としてまとめられた(甲17)。
(エ) 原告は,平成12年度の維持講習の講師として,12年度資料に基づいて同年中に3回の講演を行った(甲34)。
(2) 職務著作の成否についての検討 被告会社において,従業員の作成した著作物について,当該従業員を著作者とする旨を定めた勤務規則等がないこと,及び,原告の作成した12年度資料について,原告と被告会社間で原告を著作者とする旨の契約が締結されたものでないことは,当事者間に争いがない。そこで,12年度資料について,その作成が被告会社の発意によるものか,被告会社の業務に従事する者(原告)が職務上作成したといえるか,被告会社名義で公表され,又は,公表されるべきものであったかを検討した上,職務著作として被告会社が著作者となるか否かについて判断する。
ア 被告会社の発意 (ア) 著作権法15条所定の職務著作が成立するためには,当該著作物が法人等の発意に基づいて作成されたことが要件とされるところ,法人等の発意に基づくとは,当該著作物を創作することについての意思決定が,直接又は間接に法人等の判断に係らしめられていることであると解される。
(イ) この観点より検討すると,12年度資料は,以下のとおり,被告会社の発意に基づいて作成されたものであると認められる。
すなわち,被告工業会の実施する維持講習の講師を務めることは,前記のとおり,被告工業会から被告会社に対する依頼を受けて,被告会社において社外用務応嘱として人事部長の承認を受けて行われるものである。平成12年度の維持講習の依頼に対する承認手続は,平成10年度及び平成11年度の場合と同様,社外用務応嘱承認願の文書を提出して行われており,同文書には,講演のテーマが明示されている。また,講習資料の作成は,被告工業会から被告会社に対する講師派遣の依頼文書に記載された講習テキスト作成の依頼に基づいて行われるものであり,前記社外用務応嘱承諾願にも,業務として,講習資料を準備する必要があることが示されている。そして,講演のテーマは,「空調技術の最新動向と計装技術」であり,原告が所属していた被告会社計装システム部の所掌業務に密接に関連するものであるところ,同テーマや,維持講習の趣旨からすれば,講習資料については,講師である原告の経験や,空調技術,計装技術の分野における最新動向に関する被告会社内の資料等を素材として作成されることが予想される性質のものであると解される(10年度資料には,被告会社の社内資料が用いられており,その内容は11年度資料及び12年度資料にも引き継がれているが,原告は,社内資料使用について担当部署の了解を得た旨主張しており,被告会社内で維持講習の講習資料に使用されることが了承されていたことが推認される。)。そして,原告が講師を務めることとなった初年度である平成10年度においては,原告の上司であったDが,原告に対し,被告工業会から被告会社に対する講習テキストの作成の依頼に基づき,期限までの講習資料作成を指示している。
これらの事実によれば,維持講習のための講習資料作成は,被告会社において,維持講習の講師を務めることとともに用務の一つとして認識され,その内容や性質についても検討され,社外用務として承認されるということができる。
したがって,被告会社が当該社外用務を承認し,それを原告に伝えることをもって,講習資料作成についての被告会社の判断がされたと解するのが相当であり,12年度資料の作成について,被告会社の発意を認めることができる。
(ウ) 原告は,テーマの設定や講習資料の具体的な構成の選択に被告会社が関与することはなく,社外用務応嘱承認願も原告自身が記載したものにDが押印をするのみで決裁に付されるのであって,講習資料の創作についての企画をしているとはいえない旨主張する。
しかし,テーマの設定や講習資料の具体的な内容構成について,被告会社の関与や指示がないとしても,テーマの内容や維持講習の趣旨から,講習資料の性質やそこに盛り込まれる内容について想定できることは前記のとおりである。
しかも,原告は,平成10年度の維持講習時には,被告会社計装システム部の担当課長,平成11年度は同部の参事,平成12年度は同部の担当部長の職にあった者であり(甲17,34,乙7の3,8の3,9の2),具体的な指示がなくともテーマに沿った内容の資料を作成することができる者と被告会社内において認識されていたのは当然のことであるから,被告会社において,社外用務として講習資料作成を行わせることが相当であるかを検討して,これを承認することは,当該資料作成自体も被告会社の判断によるものであるということができる。したがって,原告の前記主張を採用することはできない。
イ 被告会社の業務従事者が職務上作成したものであること (ア) 原告は,12年度資料の作成時,前記(1)オ(イ)のとおり,被告会社計装システム部の担当部長の職にあったものであり,被告会社の業務従事者であったということができる。
(イ) 前記(1)エ及びオのとおり,維持講習の講師を務める際には,被告工業会から被告会社に対して,講習資料の作成と数回の講演実施を担当する講師として派遣依頼がなされ,被告会社内で社外用務応嘱として内容等が検討されて承認されるという手続が履践されており,社外用務として承認された場合には,勤務時間内にその業務を行うこと並びに被告会社の人員及び機材を用いることが認められている。また,平成10年度の維持講習において,原告が怪我による入院治療のために自ら講演できない事態となった際には,被告会社の業務命令により,被告会社の他の従業員が原告に代わって講演を行っている。そして,平成12年度の維持講習は,平成10年度,平成11年度と引き続いて,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習を担当するものであったところ,同テーマの内容は,被告会社の業務と密接に関連するものである。さらに,前記(1)イのとおり,被告会社では総合職技術系従業員の2割前後の者が計装士の資格を有しており,計装士が被告会社において業務上重要な資格と評価されているところ,計装士に5年ごとに受講することが義務づけられている維持講習も,同様に,被告会社において重要なものと位置づけられていたと解される。
これらのことからすれば,維持講習の講習資料作成は,講師として被告会社から派遣される者の職務として行われるものであるということができ,原告においても同様であって,12年度資料は,原告の職務上作成されたものと認めることができる。そして,このことは,原告が,講習資料の作成に当たり,現実には,勤務時間外の時間をも費やしていたとしても,左右されるものではない。
ウ 公表要件 維持講習の講習資料集の体裁は,前記(1)ウ(ウ)のとおりであり,これによれば,12年度資料には,講師名として原告の氏名が表示されるのみであり,著作名義については,その表示がなされていないか,あるいは,講習資料集の表紙に表示されている被告工業会の著作名義と解すべきであり,被告会社の著作名義で公表されたと認めることはできない。
この点,被告らは,12年度資料の表紙に講師名として原告の氏名が表示されているが,被告会社の名称も付されており,被告会社が講習資料の内容について最終的な責任を負うことが表示されているから,被告会社の著作名義と評価することができると主張するとともに,仮に,講師としての表示が著作名義と評価できない場合には,著作名義を表示しないことを選択したということができ,公表するとすれば被告会社の著作名義が表示されることが予定されているものであるから,職務著作の公表要件を充足する旨主張する。
しかし,前記のとおり,12年度資料の表紙の講師名の記載は,講師と資料作成者とが異なることもあり得ることからすれば,講習資料の著作者を示したものとは認め難いし,加えて,講師名に付された被告会社の名称は,原告の所属する会社名を記載したにすぎないものと理解されるのが通常であって,被告会社が講習資料の内容について最終的に責任を負うことを表示したものと理解されるのは困難である。また,12年度資料は,被告会社の著作名義を付することなく平成12年度の維持講習の講習資料集としてまとめられて受講生に配布されており,既に公表されているのであって,被告会社の著作名義で公表されるべきものということもできない。したがって,被告らの主張は,いずれも採用することができない。
エ 小括 以上からすれば,12年度資料は,被告会社の発意のもと,被告会社の業務従事者である原告が,職務上作成したものであると認めることができるが,被告会社名義で公表されておらず,公表されるべきものであったということもできないから,被告会社の職務著作とはいえず,被告会社がその著作者となるとは認められない。
2 争点2(原告は,12年度資料の複製について許諾していたか。)について 12年度資料は,前記1で検討したとおり,原告の著作物であると認められるところ,被告らは,12年度資料を複製して13年度資料及び14年度資料を作成したことについて,原告の許諾があった旨主張するので,以下検討する。
(1) 事実認定 争いのない事実,証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア 原告は,平成13年4月に,被告会社東京本店品質・環境部に異動となり,それに伴い,原告の担当していた計装関係の業務は,計装システム部の他の部員に引き継がれ,維持講習の講師についても,計装システム部員であったBが充てられることとなった(乙4の1)。
イ 平成13年5月に,被告工業会から被告会社に対し,同年度の維持講習の講師として原告を派遣することの依頼と確認の連絡があり,被告会社では,原告の後任の講師として予定していたBが多忙であったために,講師の派遣を辞退したい旨を打診したが,講師を被告会社に依頼していること,5年間はテーマを変えられないことから,代わりの者を派遣してほしい旨の被告工業会の要望を受け,改めてBを講師として派遣することとした。その際,原告にも,講師を交替する旨が伝えられたが,特段の異存は述べられなかった。その後,被告工業会から講師派遣依頼の文書が送付され,被告会社内において,Bを講師として派遣することが承認されたので,Dは,同年6月ころ,原告に対し,後任の講師と決定されたBに講習資料を引き継ぐように依頼し,Bには,原告から講習資料を引き継ぐように命じた。
その後,Bは,原告から,MOディスクに保存された12年度資料の電子データの交付を受けた(甲34,乙4の1,5の1)。
ウ Bは,平成13年7月ころ,最新技術の情報を取り入れて同年度の維持講習の講習資料を作成するため,Dや当時技術開発部長であったCとともに,12年度資料の変更部分について打合せを行い,それを踏まえて,Bのほか,他の部門の従業員も一部担当して,原告から提供を受けた12年度資料を用いて,13年度資料の原稿を作成した。13年度資料の原稿は,CとDのチェックを受け,同年8月ころに被告工業会に提出された(乙4の1,5の1)。なお,講習資料の変更については,被告工業会から,大幅な変更がないようにしてほしい旨の要望がされていた(乙5の1)。
エ Bは,平成13年度の維持講習の日程が終了した同年11月ころ,原告から,「原稿書くのは苦労したんだ」,「計装工業会から謝金があっただろう,いいアルバイトになっただろう」と言われたため,金銭の要求を受けたものと考え,維持講習の講師謝金として被告工業会から支払われた21万6000円のほぼ半額に相当する10万円を,原告に手渡した(甲34,乙5の1,11の4)。
オ 平成14年度の維持講習においても,Bが講師を務めることとなり,講習資料の原稿は,13年度資料の原稿作成と同様,Dから指示を受けて,Bが13年度資料の一部を変更して作成し,Dのチェックを経た後に被告工業会に提出された(乙4の1,5の1)。
カ Bは,平成15年7月8日,原告から,平成13年度は維持講習の講習資料貸与料の支払を受けたこと,平成14年度も講習資料の更新がされるはずであるがBからの連絡がないこと,13年度資料及び14年度資料のコピーを希望することが記載されたメールを受信した。そこで,Bは,13年度資料及び14年度資料の電子データをMOディスクに保存して,原告の席に持参したが,原告が不在であったため同ディスクを同人の席に残置した。そして,同月9日,原告に対し,13年度資料及び14年度資料の印刷物が手元にないため各資料の原稿を保存したMOディスクを持参したことを伝えるとともに,前年同様,講師謝金の一部から10万円を手渡した(甲34,乙5の1)。
? 上記認定に反し,原告作成の陳述書(甲34)には,Bが原告に10万円の入った封筒を持って来た,業務上のことであればあり得ないと思いながらも,12年度資料の資料貸与料と考えてありがたく受け取った旨の記載があり,また,原告から被告代表者宛ての平成16年12月7日付けの「提訴事項(嫌がらせ事項含む)の再調査・再回答にあたって(原文は「あったて」)」(甲6)にも,これと同旨の記載がある。
しかし,Bが,原告の要求もないまま,講師謝金のほぼ半額に相当する10万円もの金額の金銭を,自発的に,Bよりも高い地位にある原告に持参するとは通常考えられないし,原告が,何の説明もなく手渡された10万円を趣旨不明確のまま受け取るということも不自然である。
したがって,原告作成の陳述書の上記記載及びこれと同旨の甲6の記載は,いずれも信用することができない。
? 検討 (1)で認定した事実に,1(1)で認定した事実を併せて検討すると,原告は,Bが被告会社における職務として維持講習を行うに当たり,12年度資料を複製して,13年度資料及び14年度資料を作成することを,黙示に許諾していたものと認めることができる。
すなわち,前記のとおり,原告は,上司であるDからの指示を受けて,平成13年度から維持講習の講師をBと交替するとともに,Bに対し,12年度資料の原稿の電子データを交付していること,原稿をBに交付すること自体も,Dにより,Bに引き継がせるものとして指示されたこと,維持講習のための講習資料作成は,同講習の講師を務めることとともに,職務上なされたものであること,維持講習は5年間同一のテーマで行われ,その間の講習資料の大幅な変更は予定されていないことが認められるところ,これらの事実に加えて,12年度資料を単に参照するのみであれば,原告に原稿の電子データの交付を求める必要はなく,原稿の引継ぎの指示に基づいて原告から何らの留保もなく電子データが交付されたことからすると,原告においても,12年度資料の原稿を複製して平成13年度以降の維持講習の講習資料を作成するものと認識していたと理解できる。これらのことを併せて考慮すれば,原告において,Bが,職務上,13年度資料及び14年度資料を作成するために,12年度資料を複製することを許諾していたと解するのが相当である。
さらに,原告は,平成13年11月,13年度資料の作成に関し,Bから10万円の交付を受け,平成15年7月には,14年度資料の作成に関し,Bから再度10万円を受領しており,また,原告は,13年度資料及び14年度資料を自己の著作物としてリストアップするために,これらの資料の閲覧をBに要求した旨述べている(甲34)のであって,これらの事情は,12年度資料の複製を2度にわたり許諾していたことと整合するものである。
原告は,12年度資料の電子データは参考に渡したのみであり,Bからの金員も資料貸与料として受領したとして,複製の許諾はしていない旨主張する。
しかし,12年度資料を単に参考にするのであれば,既に印刷されたものを参照することで足り,被告工業会から写しの交付を受けるなどの方法も考えられるから,Dが原告に引継ぎを指示する必要がないことは,前記検討のとおりであるし,他の文献や資料などと同様に12年度資料を参考にするためだけを目的として「貸与料」が支払われ,しかも,それが,平成13年度及び平成14年度の2回にわたり,合計20万円も授受されることも極めて不自然であるから,原告の主張を採用することはできない(なお,原告が,その後,被告会社と紛争を生じる段階に至って12年度資料の複製を許諾していないと述べることが,上記の認定判断を左右するものではないことは明らかである。)。
したがって,原告は,13年度資料及び14年度資料の作成について,12年度資料の複製を許諾していたと認められるのであるから,13年度資料及び14年度資料は12年度資料の複製物と評価できるものであるものの,これらの作成や交付は,12年度資料についての原告の複製権を侵害するものではないと認められる。
3 争点3(被告らによる口述権侵害の有無)について 原告は,被告らにおいて,平成13年度及び平成14年度の維持講習の際に,12年度資料を複製した13年度資料及び14年度資料を,原告の許諾なく使用し,不特定多数又は特定多数の公衆に対して口頭で伝達したものであり,原告の有する12年度資料を公に口述する権利を侵害した旨主張する。
しかし,維持講習の講習資料は,講演の内容を示し,解説しているものではあるが,その性質上,内容が朗読等によって口述されるものではないのであって,同資料をもとに講演をすることをもって,同資料を口述したということはできない(なお,13年度資料及び14年度資料が,維持講習において実際に口述されたことを認めるに足りる証拠はない。)。
したがって,被告らが13年度資料及び14年度資料を原告の許諾なく使用したか否か等を検討するまでもなく,原告の主張する口述権の侵害は,到底認めることができない。
4 争点4(被告らによる氏名表示権侵害の有無)について 原告は,被告らにおいて,12年度資料を複製した13年度資料及び14年度資料を使用した際,Bの氏名を表示して原告の氏名を表示しなかったものであり,原告の氏名表示権を侵害した旨主張する。
しかし,前記1(2)ウにおいて検討したとおり,12年度資料の表紙に講師名として記載されている原告の氏名の表示は,あくまでも当該維持講習の講師名を表示するものであって,12年度資料の著作名義を表示するものとはいえず,氏名表示権の,著作者名を表示するかしないかを選択する権利であるという側面からみた場合,原告は,12年度資料について,少なくとも,原告の氏名を著作者名として表示しないことを選択しているものと解される。そうすると,13年度資料及び14年度資料に講師名としてBの氏名を付するとともに,その他は,12年度資料及び同資料を含む講習資料集と同様の表示をして,平成13年度及び平成14年度の維持講習の講習資料集を作成し,使用することは,著作者名を表示しないこととした原告の措置と同様の措置をとっていることになるから,著作者名の表示に関する原告の当時の意思に反するものではなく,原告の氏名表示権を侵害するものとはいえないと解するのが相当である。
したがって,原告の主張する氏名表示権の侵害は認められない。
5 争点5(被告らによる同一性保持権侵害の有無)について (1) 13年度資料及び14年度資料における変更箇所 13年度資料及び14年度資料は,変更箇所一覧表の「13年度資料」,「14年度資料」の各欄下線部分記載のとおり(ただし,変更箇所一覧表の番号11については,「※」を付して示したとおり,記載内容は別添1及び2のとおりである。),対応する「12年度資料」欄の記載に変更を加えている(当事者間に争いはない。)。
(2) 検討 被告らは,前記(1)の変更箇所のうち,一部については,原告の創作に係るものではなく同一性保持権侵害を主張することができない部分であるか,又は,著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないと認められるものであるとし,他の部分についても,同一性保持権の侵害となる改変ではない旨主張するので,以下,検討する。
著作者の有する同一性保持権は,著作物が,著作者の思想又は感情を創作的に表現したものであり,それによって,著作者に対する社会的な評価が与えられることから,その同一性を保持することによって,著作者の人格的な利益を保護する必要があるとして設けられているものであり,「意に反してこれらの変更,切除その他の改変を受けないものとする。」(著作権法20条1項)という文言でその趣旨が表現されているものと解される。そして,意に反するか否かは,著作者の立場,著作物の性質等から,社会通念上著作者の意に反するといえるかどうかという客観的観点から判断されるべきであると考えられる。そうすると,同一性保持権の侵害となる改変は,著作者の立場,著作物の性質等から,社会通念上著作者の意に反するといえる場合の変更がこれに当たるというべきであり,明らかな誤記の訂正などについては,そもそも,改変に該当しないと解されるところである。
本件で同一性保持権侵害の有無が問題となっている12年度資料は,維持講習の「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする講習の資料であり,計装士の資格を有する者に対して,講習内容についての事実を正しく伝え,また,関連する最新の情報を伝えるとともに,講演者の個性ではなく当該分野での経験に基づく専門知識を伝達することが期待され,予定されている性質のものである。さらに,5年間同一のテーマで行われる維持講習の資料であって,合綴されて講習資料集としてまとめられるという性質上,他の年度の講習資料と分量的な差異がそれほど生じないようにすることも求められていると解される。そして,次年度の資料作成のために複製が許諾される場合には,講演の時期に合わせた修正がなされること,用語などについても,当該分野で一般的に用いられている最新のものを選択することが求められているものである。以上に加えて,著作者である原告も,同様に維持講習を受けた経験を有し,既に2年間維持講習の講師を務めているのであるから,上記のような客観的事情を十分認識して,講習資料を作成したものであると推認される。
イ また,アで検討した事情は,同一性保持権侵害の例外として認められる「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」(著作権法20条2項4号)に該当するか否かにおいても,同様に考慮されるべきものであると解される。
ウ そこで,このような,12年度資料についての性質,著作者である原告の立場を踏まえ,個々の変更箇所について検討する。
(ア) 変更箇所一覧表の番号1 この部分は,目次の記載であり,目次の性質上,本文の内容を反映させるものであるから,この部分のみをもって改変であるということはできない。
そこで,対応する本文の変更部分についてみると,後記(イ),(ウ)及び(ク)のとおり,いずれも,同一性保持権を侵害するものではないから,目次の変更は,本文の変更に伴うやむを得ない改変に当たるというべきである。
(イ) 変更箇所一覧表の番号2 この部分の変更のうち,「ハセップ」から「ハサップ」への変更は,一般的な読み方を示す言葉への置換えであり,「国際化・デジタル化」から「IT化」への変更についても,より一般的に用いられている用語への置換えにすぎず(乙5の1〜5の3),いずれも,改変とはいえない。
13年度資料及び14年度資料の「空調計装分野では」から始まる段落部分の変更については,抽象的,専門的な表現から,より平易な表現への置換えにすぎず(乙5の1〜5の3),また,14年度資料の「深化を更に」の追加変更については,単に表現を分かりやすくしたものにすぎず,同様に,改変とはいえない。
(ウ) 変更箇所一覧表の番号3 12年度資料の該当部分は,「電気と工事」1988年4月号(甲12)103ページの「ゼロエミッションとCOP3」の一部を転載したもので,原告の創作に係る部分ではないから,原告において同一性保持権侵害を主張することはできない(なお,変更が加えられている13年度資料及び14年度資料の該当箇所の前半部分は,単に表現を平易にしたものであるし,後半部分は,環境対策に関する最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3),前記ア及びイで検討したとおり,12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解されるのであるから,いずれにしても,同一性保持権を侵害するものではない。)。
(エ) 変更箇所一覧表の番号4 この部分の変更は,地球温暖化に関する最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
(オ) 変更箇所一覧表の番号5 この部分の変更のうち,13年度資料及び14年度資料の「氷蓄熱システム製氷時と昼間追い掛け運転時では…氷蓄熱では蓄熱率40%(蓄熱40+昼間追い掛け60=100)となる。」の部分及び「それぞれの方式の一般的な特徴としては,…最適なシステムを選定することが肝要である。」の部分は,いずれも,当該分野における最新情報を加えたり,説明事項を追加しているものであり(乙5の1〜5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
その他の変更は,単に表現を平易にするものであり(乙5の1〜5の3),改変には該当しない。
(カ) 変更箇所一覧表の番号6 この部分の変更のうち,13年度資料及び14年度資料の「(1) CGSとは」の部分の記載,「現在,CGSに使われている原動機には@ガスタービン,Aガスエンジン,Bディーゼルエンジン,C燃料電池などがある。一般的には,発電主体の小・中規模施設にはエンジンを」の部分,「他方最近では,…表3.1にマイクロガスタービンのラインナップを示す。」の部分及び表3.1は,いずれも当該分野における最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
その他の変更は,単に表現を平易にするものであり(乙5の1〜5の3),改変には該当しない。
(キ) 変更箇所一覧表の番号7 この部分の変更は,記述順序を変えて,重複する表現を一部省略したものであり(乙5の1〜5の3),改変とはいえない。
(ク) 変更箇所一覧表の番号8 この部分の変更は,「ハセップ」を「ハサップ」と変更するものであり,一般的な読み方を示す言葉への置換えであるにすぎないから,改変には当たらない。
(ケ) 変更箇所一覧表の番号9 この部分の変更は,14年度資料についてのみ該当するところ,当該分野における最新情報を加えたものであり(乙5の1,5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
(コ) 変更箇所一覧表の番号10 この部分の変更は,空調設備と計装技術の整合性の確保に関して紹介する具体例を3つから2つに減少させたものであるが,資料の一部に最新情報を追加したことなどに伴い,資料全体のページ数を増やさないために行われたものである(乙5の1〜5の3)から,12年度資料の性質,12年度資料と分量的にもそれほど差異がないものを作成することが客観的に求められている本件講習の資料として作成するという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
(サ) 変更箇所一覧表の番号11 この部分の変更は,当該分野における最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3,16,17),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
(シ) 変更箇所一覧表の番号12 この部分の変更のうち,「ブロードバンド」の記載を追加した部分は,最新情報を追加したものであり,その他の変更部分は,単に表現を平易にしたものにすぎず(乙5の1〜5の3),いずれも,改変とはいえない。
(ス) 変更箇所一覧表の番号13 この部分の変更は,いずれも,当該分野の最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
(セ) 変更箇所一覧表の番号14 この部分の変更のうち,13年度資料の「2)BACnetTM」における「しかし,現時点においては…期待されている。」の部分並びに14年度資料の「2)BACnetTM」における「しかし,現時点においては…実際の現場でも多数の施工事例が進行中である。」の部分及び「3)その他」における「また,FA分野で使用されているINTOUCH,FIX等のSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)ソフト+OPC(OLE for Process Control)技術によるオープンシステムをBA分野に利用する試みも行われている。」の部分は,いずれも,当該分野の最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
その他の変更部分は,単に表現を平易にしたものにすぎず(乙5の1〜5の3),いずれも,改変とはいえない。
(ソ) 変更箇所一覧表の番号15 この部分の変更のうち,13年度資料の「2)SIの課題」「C国内にオープン化対応品の品揃えが少ない」における「対応製品は日々増加しているが,今後国産品はもちろん海外製品の輸入が増えたり,国内ベンダと海外ベンダの技術提携・業務提携などが増えたりして価格競争が進むことが予想される。」,「対応製品は,インバータや自動弁などで開発が進みつつある。」,「また,LONMARK会員企業数は,2001年7月現在,全世界で310社以上となっている。(http://www.lonmark.org 英語のウェブサイト)」及び「BACnetまたはBAS標準インターフェース対応品は,メーカ各社で実際の製品が出荷されつつあり今後一層製品ラインナップが増加するものと思われる。」の各部分並びに14年度資料の「2)SIの課題」「Cオープン化対応品の品揃えがまだ少ない」における「前述のエシェロン社のWebページなどに情報がある。対応製品は日々増加しているが,今後国産品はもちろん海外製品の輸入が増えたり,国内ベンダと海外ベンダの技術提携・業務提携などが増えたりして価格競争が進むことが予想される。」,「対応製品は,インバータや自動弁などで開発が進みつつある。」,「また,LONMARK会員企業数は,2002年6月現在,日本企業が23社,外国企業は270社以上となっている。(http://www.lonmark.gr.jp/)」及び「BACnetまたはBAS標準インターフェース対応品は,多くの現場で施工中であり,今後一層製品ラインナップが増加するものと思われる。」の各部分は,いずれも,当該分野の最新情報を盛り込んだものであり(乙5の1〜5の3),12年度資料の性質,「空調技術の最新動向と計装技術」をテーマとする本件講習の資料に用いるという利用の目的及び態様から,やむを得ない改変に当たると解され,同一性保持権を侵害するものではない。
その他の変更部分は,単に表現を平易にしたものにすぎず(乙5の1〜5の3),いずれも,改変とはいえない。
エ 小括 したがって,変更箇所一覧表記載の各変更部分については,いずれも,同一性保持権の侵害とはならない。
6 争点8(不当利得返還請求権の有無)について 原告は,12年度資料の著作権を有するものであるから,被告らが,12年度資料を不法に利用したことによって得た収益及び講師報酬は,不当利得となり,原告は,600万円の不当利得返還請求権を有する旨主張する。
原告は,前記1で検討したとおり,12年度資料の著作権を有するものではあるが,前記2ないし5で検討したとおり,自ら12年度資料の複製を許諾しており,被告らによる,12年度資料について原告が有する著作権(複製権,口述権),著作者人格権(氏名表示権,同一性保持権)の侵害は認められないから,被告らにおいて,12年度資料の利用により,法律上の原因なく利益を受けたとは到底認められず,その利益の内容等を検討するまでもなく,原告の被告らに対する前記不当利得返還請求は認めることができない。
したがって,原告の主張を採用する余地はない。
7 まとめ そうすると,他の点について論ずるまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないことになる。
結論
以上の次第で,原告の請求は,いずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
追加
(別紙1)1「平成13年度計装士技術維持講習資料集」の「空調技術の最新動向と計装技術」部分2「平成14年度計装士技術維持講習資料集」の「空調技術の最新動向と計装技術」部分(別紙2)省略(別紙3)変更箇所一覧表番号12年度資料(甲17)13年度資料(甲18)14年度資1(目次)2.2国連気候変動枠組条約締約国会議2.3地球温暖化と省エネルギー4.2HACCP(ハセップ:総合衛生管理製造過程)(目次)2.2「京都議定書」2.3「COP6再開会合」の合意内容4.2HACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)(目次)2.2「京都2.3「CO4.2HAC程)2(1頁)1.はじめに空調技術の最新動向としては,第一に…。第二に…国際化への対応は,製薬・食品関連産業にもバリデーションやHACCP(ハセップ)として現れている。…。第三に…。第四に…。
第五には国際化・デジタル化への対応が挙げられよう。コンピュータと情報通信の発展により,ローカル制御は小型高機能化し,LANは国際規格への対応としてオープン化が急激に進むであろう。
…ただし,BA分野ではコンピュータとネットワークのビッグバンが起きつつあり,建築設備分野と計装分野はこれまでの30年間とは異なる展開を示すであろう。すなわち,方向性の見えない不確実な混沌とした時代を迎えることは必然の状況となり,全世界を視野に入れた事業企画力と技術力(深さ,広さ,高さ)を合わせ持つ企業が,これからの生存競争に勝ち残って行くことができるのではなかろうか。
また,我々技術者はこのような状況をどのように分析して進むべきなのであろうか。一つの考え方を提言するならば,更なる「技術の専門性の追求」と「顧客ニーズを総合的にシステム化できるエンジニアリング技術の追求」の二通りであろう。単一企業で見た場合は,この双方を合わせ持つ必要があると思う。
(1頁)1.はじめに空調技術の最新動向としては,第一に…。第二に…国際化への対応は,製薬・食品関連産業にもバリデーションやHACCP(ハサップ)として現れている。…。第三に…。第四に…。
第五にはIT化への対応が挙げられよう。コンピュータと情報通信の発展により,ローカル制御は小型高機能化し,LANは国際規格への対応としてオープン化が急激に進みつつある。
…空調計装分野ではコンピュータとネットワークの急激な技術革新が起きつつあり,これまでの30年間とは異なる展開を示すであろう。すなわち,方向性の見えない不確実な混沌とした時代を迎えることは必然の状況となり,全世界を視野に入れた事業企画力と技術力(深さ,広さ,高さ)を合わせ持つ企業が,これからの生存競争に勝ち残って行くことができるのではなかろうか。
また,我々技術者はこのような状況をどのように分析して進むべきなのであろうか。一つの考え方を提言するならば,更なる「技術の専門性の追求」と「顧客ニーズを総合的にシステム化できるエンジニアリング技術の追求」の二通りであろう。単一企業で見た場合は,この双方を合わせ持つ必要があると思う。
(1頁)1.はじめに空調技術際化への対やHACCP第四に…。
第五には情報通信のし,LANは進みつつあ…空調計装技術革新が展開を示し業企画力とが,生存競したがっての深化を更ステム化で考えられる3(3頁7〜33行)2.2国連気候変動枠組条約締約国会議COP3とは,97年12月1日〜10日に日本の京都で開催された「国連気候変動枠組条約第3回締約国会議」のことで,この会議で「京都議定書」が採択されCO2の削減に向けて,法的拘束力を持つ温暖化防止の歴史的な国際合意が成立した。
この会議のハイライトであった「CO2削減率」に関しては,「先進国全体」で2010年で5.2%の削減を目指すことになったが,先進各国の削減(増加)率は表2.1の通りである。もう一つの柱である「開発途上国のボランタリー(自発的)な数量目標へのコミットメント」については,議定書からきれいに削除され「途上国問題」はどこかに霧散してしまった。換言すれば,削減率では合意が得られたものの,途上国の協力取付については,COP3で道を付けることができなかったということである。し(3頁7行〜4頁12行)2.2京都議定書97年12月1日〜10日に京都で開催された「国連気候変動枠組条約第3回締約国会議」(COP3)において,「京都議定書」が採択され,CO2の削減に向けて,温暖化対策の歴史的な国際合意が成立した。
この会議のハイライトであった「CO2削減率」に関しては,「先進国全体」で2010年に5.2%の削減を目指すことになった。先進各国の削減(増加)率は表2.1の通りである。
その後,「京都議定書」のルールを決めるため,COP4,5,6が開催されたが,合意にいたらなかった。
2001年3月,米国は,「京都議定書」からの離脱を表明した。その後,米国にさまざまのルートで「京都議定書」への復帰を働きかけたが,不調に終った。2001年7月16日,ドイツのボンにおいて,「COP6再開会合」が開催され,(3頁3行〜2.2「京都97年12変動枠組条都議定書」の歴史的なこの会議「先進国全なった。先る。
その後,5,6が開催2001年した。そのの復帰を働かしながらCO2削減目標を達成するには,「途上国の協力」を避けて通るわけにはいかない。
また,メキシコ・韓国など「中進国」の“意味ある参加”についても生煮えのままに終わってしまった。「共同達成」・「排出権取引」・「共同実施」・「吸収源の取り扱い」・「グリーン開発メカニズム」など実施に移される以前に,避けて通れない具体的な詰めの論議や作業も山積みしており,COP3は実質的に終結していない状態ともいえる。
COP3以来,地球環境問題は「地球温暖化問題」一本に絞られたかのような感がある。また,COP4(98年11月,アルゼンチンのブエノスアイレスで開催),COP5(99年10月,ドイツのボンで開催),COP6(2000年秋,オランダで開催予定)といった具合に毎年会議が開催されている。これらの会議は,「京都議定書」をどの様にしたら各国で具体的な行動に移行できるのかを詰め,COP6までに決着をつけるべく技術レベル・事務レベルの協議を重ねているのである。
米国離脱のまま,「ブエノスアイレス行動計画の実施の中核要素」が一部修正の上,合意された。その内容は,次の通りである。
2.3「COP6再開会合」の合意内容(1)途上国支援条約に基づく基金として,気候変動特別基金を設置し,京都議定書に基づく基金として,京都議定書適応基金を設置。
(注:先進国からの途上国に対する支援の金額については同文書に書かれていない。)(2)京都メカニズム@補足性先進国の削減目標の達成について,京都メカニズムの活用は国内対策に対して補足的であるべきであり,国内対策は,目標達成の重要な要素を構成する(注:定量的な制限は設けない主旨)。
ACO2排出権の売りすぎ防止締約国は,排出枠の売りすぎ防止の観点から,排出枠の90%又は直近の排出量のうち,どちらか低い方を留保する。
B共同実施・CDM(クリーン開発メカニズム)における原子力の扱い共同実施・CDMについては,原子力は控える。
(注:共同実施・CDMの対象となるリスト(ポジティブリスト),対象とならないリスト(ネガティブリスト)は作成しない主旨。)C吸収源森林管理の吸収分については,国ごとに上限を設ける。
(日本は,上限枠が13百万t-C(3.86%)となり,3.7%分が確保される見込み。)D遵守・削減目標を達成できなかった場合の措置超過した排出量は,1.3倍に割り増した上で次期排出枠から差し引く・遵守委員会の構成先進国対途上国の構成が4対6となる見込み。
日本は,年間の温室減すること「省エネ法一部改正す2.3改正今回の改生業務部門改正の概要◎第一種エ廃年間で電消費する全業・電気供但し,今回ネルギー管ネルギー管◎第二種エ従来のエて,主務大を課すこと第一種エす。
表2.2第(表は略)4(3頁下から5行〜4頁4行)2.3地球温暖化と省エネルギー地球環境問題の一つに地球温暖化があるが,これは化石燃料の燃焼や森林減少で発生する二酸化炭素が温暖化ガスの主たる対象とされ,現状のままで二酸化炭素が増え続けると,100年後に気温が3〜6℃上昇し,海水の膨張と陸域の氷雪の一部が融解することによって,海面が30〜110cm上昇すると予測されている。
たとえば海面が1m上昇した場合の被害は,我が国は直接的に影響をあまり受けない国とされているが,その例を見てみると港湾や海岸に限定しても氾濫域の拡大が1,400km2,その地域の人口は300万人,資産損失は土地代を別にして30兆円と試算されている。国際的には国土が消失する国もあるほどで,大きな問題となりつつある。
(4頁13行〜22行)2.4地球温暖化と省エネルギー地球環境問題の一つに地球温暖化があるが,これは化石燃料の燃焼や森林減少で発生する二酸化炭素が温暖化ガスの主たる対象とされ,現状のままで二酸化炭素が増え続けると,100年後に気温が1.4〜5.8℃上昇し,海水の膨張と陸域の氷雪の一部が融解することによって,海面が0.09〜0.88m上昇すると予測されている(IPCC第3次報告)。
環境省は,地球温暖化により100年後の年平均気温は南日本で4度,北日本で5度上昇するという影響予測を公表した(「地球温暖化の日本への影響2001」報告書)。日本付近での気温上昇は,全地球平均の3.6度より大きく,生態系や農林水産業,健康などに大きな影響を与える。海面上昇の対策に全国で11兆5000億円かかるなど,経済,産業面での対応策についても初めて言及した。
(4頁1行〜2.4地球地球環境石燃料の燃化ガスの主増え続ける海水の膨張て,海面がPCC第3次環境省は南日本で4表した(「地本付近でのく,生態系る。海面上ど,経済,産5(8頁下から4行〜9頁)(3.電力平準化技術3.1氷蓄熱)(2)氷蓄熱の有効性…水蓄熱と氷蓄熱の蓄熱量比較をしてみると,図3.2に示すように氷蓄熱システムは,水蓄熱に比べて約7倍の熱を貯めることができる。また,水蓄熱と氷蓄熱の蓄熱水槽の大きさの比較をしてみると,図3.3に示すように氷蓄熱システムは,水蓄熱に比べて約7倍の高密度蓄熱のため,建築的な制約を受けずに十分な蓄熱ができる。
氷蓄熱システムのメリットとしては,図3.4に示したように,@最大負荷日でも蓄熱率40%まで容易に大きくできるため,冷熱源設備容量は60%に削減でき,受変電設備容量も小さくなる。A蓄熱率40%の場合には,(7頁〜8頁)(3.電力平準化技術3.1氷蓄熱)(2)氷蓄熱の有効性…水蓄熱と氷蓄熱の蓄熱量比較をしてみると,図3.2に示すように氷蓄熱システムは,水蓄熱に比べて約7倍前後の熱を貯めることができる。そのため,水蓄熱と氷蓄熱の水槽容量比較では,図3.3に示すように氷蓄熱システムは,水蓄熱に比べて約1/7倍程度の水槽容量ですみ,所要スペースの確保が容易である。
氷蓄熱システム製氷時と昼間追い掛け運転時では冷熱媒温度に違いがあり,そのため冷熱出力が変化する。一般的には,製氷時100とすると昼間時は150程度と出力は大きくなる。そのため図3.4に示したように設備容量のミニマムポイントでは,昼夜間の冷熱出力が変わらない水蓄熱(7頁〜8頁(3.電力平(2)氷蓄熱…水蓄熱と示すように後の熱を貯の水槽容量ムは,水蓄み,所要ス氷蓄熱シ媒温度に違般的には,は大きくなミニマムポ年間負荷の約62%を夜間電力で賄うため,契約電力の削減ならびに夜間電力の利用,さらにピーク時間調整契約の適用により,30%以上のランニングコストの低減が図れる。B氷蓄熱の大きな蓄熱量により,中間期や休日などの小負荷日は放熱運転のみで昼間の負荷に対処できる。また,冷凍機の頻繁な発停や極端な絞り運転が避けられ,運転が容易になるばかりでなく,安定運転が続くため機器の寿命が長くなる。
(3)代表的な氷蓄熱システム図3.5にスーパーアイスシステム,外融式ソリッドアイス,内融式ソリッドアイスおよび外融式カプセル蓄熱などの代表的な氷蓄熱システムを示した。スーパーアイスシステムは二重スラブ空間を氷蓄熱槽に利用でき,しかも保守管理の必要な製氷設備が槽内にないため,建築との取り合いも良いのが氷蓄熱システムである。
では蓄熱率50%(蓄熱50+昼間追い掛け50=100)がミニマムポイントであるのに対し,氷蓄熱では蓄熱率40%(蓄熱40+昼間追い掛け60=100)となる。
従って,氷蓄熱システムのメリットは,水蓄熱と同様に,冷熱源設備容量の削減,受変電設備容量の削減が可能であり,蓄熱率40%の場合には,@冷熱源設備容量は60%に削減でき,受変電設備容量も小さくなる。A試算によれば,年間負荷の約62%を夜間電力で賄うため,契約電力の削減ならびに夜間電力の利用,ピーク時間調整契約の適用により,30%以上のランニングコストの低減が図れる。B氷蓄熱の大きな蓄熱量により,中間期や休日などの小負荷日は放熱運転のみで昼間の負荷に対処できる。また,C冷凍機の頻繁な発停や極端な絞り運転が避けられ,運転が容易になるばかりでなく,D安定運転が続くため機器の寿命が長くなる。等があげられる。
(3)代表的な氷蓄熱システム図3.5に過冷却式シャーベットアイスシステム,外融式ソリッドアイス,内融式ソリッドアイスおよび外融式カプセル蓄熱などの代表的な氷蓄熱システムを示した。
それぞれの方式の一般的な特徴としては,シャーベットアイスはソリッドアイスに比べて解氷特性が優れているが,ソリッドアイスはシャーベットアイスに比べてIPF(氷充填率)を高めることが可能である。これらの特徴を理解して最適なシステムを選定することが肝要である。
蓄熱では蓄0)がミニマ40%(蓄熱従って,氷冷熱源設備であり,蓄0%に削減よれば,年電力の削減約の適用に図れる。Bなどの小負きる。また避けられ,続くため機(3)代表的図3.5にソリッドアイル蓄熱などそれぞれアイスはソが,ソリッド填率)を高て最適なシ6(11頁)3.2コージェネレーションシステム(CGS)(1)CGS導入の効果・ランニングコストの低減…・地球環境の保全…・特別高圧受電の回避…・非常用発電機の有効利用建築物には,防災電源用の予備電源・非常電源として非常用発電機の設置が義務づけられている(従前は液体燃料に限定)。非常用発電機は,月1回の試運転以外はほとんど運転されず,イニシャルコスト・設置スペースを考慮した場合,費用対効果の観点からは問題視されていた。
平成6年5月27日付けの消防庁通知により,ガスエンジンコージェネ発電機の非常用と常用との兼用が可能となった。
(2)排熱利用と省エネルギー運転…(3)CGSの種類CGSは,発電した際の排熱を積極的に利用するため,総合効率の高いシステムとなるが,電気と熱のどちらかを主体として取り出すかによって,また,対象の規模によって,CGSを選定する必要がある。
発電主体の小・中規模施設にはエンジンを使ったCGSが,ホテルや地域冷暖房などの熱主体の大規模な施設にはガスタービンCGSが適している。
図3.6にガスタービンによるCGS(a:蒸気取り出し),エンジンによるCGS(b:温水取り出し),エンジンによるCGS(c:蒸気,温水取り出し)を示した。
(10〜11頁)3.2コージェネレーションシステム(CGS)(1)CGSとはコージェネレーションシステムとは,ガスまたは石油を燃料として,ガスタービン,ガスエンジン,ディーゼルエンジンなどの原動機を使って発電を行い,原動機の冷却水や排気ガスから,温水や蒸気の形で熱を回収して冷暖房や給湯などに利用するシステムである。図3.6に示すように従来の大型火力発電所では投入した1次エネルギーに対して,需要端において有効に使われる電気エネルギーは約35%に過ぎないが,コージェネレーションシステムのケースでは排熱を有効に利用することにより,エネルギー効率を70〜80%にまで向上させることが可能である。
図3.6(略)(2)CGS導入の効果・ランニングコストの低減…・地球環境の保全…・特別高圧受電の回避…・非常用発電機の有効利用建築物には,防災電源用の予備電源・非常電源として非常用発電機の設置が義務づけられているが,この設備に加えて発電設備をもう一組設置してCGSとすることにより,常用・非常用兼用電源として有効に利用できる。燃料としてはこれまで液体燃料に限定されていたが,平成6年5月27日付けの消防庁通知により,ガスエンジンコージェネ発電機の非常用と常用との兼用が可能となった。
(3)CGSの種類現在,CGSに使われている原動機には@ガスタービン,Aガスエンジン,Bディーゼルエンジン,C燃料電池などがある。一般的には,発電主体の小・中規模施設にはエンジンを使ったCGSが,ホテルや地域冷暖房などの熱主体の大規模な施設にはガスタービンCGSが適している。
他方最近では,既存量産技術(車両用過給器,航空機用補助動力装置など)の組合せによるシステムの小型簡素化,イニシャルコスト及びメンテナンスコストの低廉化を狙いに開発されたマイクロガスタービン(数10kW〜300kW程度)が市場化されており,小規模CGSの普及に拍車がかかるものと期待されている。表3.1にマイクロガスタービンのラインナップを示す。
表3.1(10〜11頁3.2コー(1)CGSコージェネ料として,ガなどの原動気ガスから湯などに利来の大型火て,需要端35%に過スでは排熱を70〜80図3.6(略)(2)CGS導・ランニング…・地球環境…・特別高圧…・非常用発建築物に非常用発電に加えて発り,常用・非としてはこれ5月27日付ネ発電機の(3)CGSの現在,CGAガスエンがある。一ンジンを使体の大規模他方最近用補助動力素化,イニ狙いに開発kW程度)が車がかかるタービンの表3.1(略)CGSの排熱利用の基本システムとして,図3.7にガスタービンによるCGS(蒸気取り出し),図3.8にエンジンによるCGS(温水取り出し),図3.9にエンジンによるCGS(蒸気,温水取り出し)を示した。
(略)CGSの排タービンによるCGS((蒸気,温水7(12頁)4.1バリデーション平成6年1月27日,GMPが改訂されたなかにバリデーションが追加され,その施行が平成8年4月1日に実施された。
(13頁)4.1バリデーション平成6年1月27日,GMPが改訂された(厚生省/省令;医薬品の製造管理および品質管理規則)なかにバリデーションが追加され,その施行が平成8年4月1日に実施された。
(13頁)4.1バリ平成6年令;医薬品デーション施された。
日本のGMPの改定:平成6年1月27日厚生省/省令(医薬品の製造管理および品質管理規則)8(14頁)4.2HACCP(1)HACCPとは衣食住の中で最も人の生存に影響を与える食品の衛生管理が,O-157騒動などによる食品衛生への関心が高まる中で,原料調達から最終製品出荷までの先端的な衛生管理システム,HACCP(ハセップ:総合衛生管理製造過程)を導入する食品メーカーが増えてきている。
(15頁)4.2HACCP(1)HACCPとは衣食住の中で最も人の生存に影響を与える食品の衛生管理が,O-157騒動などによる食品衛生への関心が高まる中で,原料調達から最終製品出荷までの先端的な衛生管理システム,HACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)を導入する食品メーカが増えてきている。
(15頁)4.2HAC(1)HACC衣食住の管理が,Oまる中で,生管理シス過程)を導9(19頁)5.4中央監視装置の課題…大容量のデータファイルの作成には,エンジニアリング相当の技術力向上とともに,データ表現の標準化が重要である。オープンネットワークの進展により,今後の中央監視システム構成はハード・ソフトの汎用品化が進み手軽なものが出現し,管理データ等(BEMS)の充実が図られる傾向となる。
(20頁)5.4中央…大容量の相当の技術である。オ監視システなものが出る傾向とな最近目新ム(Buildin建築・環境Environmeどの用語が10(24頁)7.空調設備と計装設備の整合性の確保建築設備としての空調設備の設計過程では,機械設備設計の担当者と計装設備設計の担当者が別の場合が多く,空調設計が先行してほぼ設計がまとまりだした段階で,計装設計に取りかかる例が多い。…この章で取り上げた3つの例は,空調設備と計装設備の整合性をとることの大切さを理解していただくための代表例である。
(26頁)7.空調設備と計装設備の整合性の確保建築設備としての空調設備の設計過程では,機械設備設計の担当者と計装設備設計の担当者が別の場合が多く,空調設計が先行してほぼ設計がまとまりだした段階で,計装設計に取りかかる例が多い。…この章で取り上げた2つの例は,空調設備と計装設備の整合性をとることの大切さを理解していただくための代表例である。
(26頁)7.空調設建築設備設計の担当く,空調設で,計装設この章で整合性をと例である。
1(30頁図8.2代表的な中央系のプロトコル構造)※図は,別添1のとおり(30頁図8.2プロトコルの階層構成(電気設備学会誌平成13年3月号より))※図は,別添2のとおり(30頁図8平成13年※図は,別12(26頁下から3行〜27頁14行)8.ビルオートメーションのオープン化動向SI単位への移行,ISO(9000S,14000S,18000S)の導入,バリデーション・HACCPの導入,国際会計基準の導入等々,国際化の潮流は留まることを知らない。また,情報化についてもインターネットが急速に普及し,電気通信事業の自由化による通信料金の低価格化競争は,今後ますます加速し,遠・近の地理的距離格差は情報・通信という見地から激減するものと思われる。
一方,このような国際化による諸規格の統一と情報化の進展により通信料金の低価格化がもたらすものは,あらゆる分野でビジネスチャンスが多くなり,自由競争が激化することである。このことは,建築設備の一分野であるビルオートメーション(BA)分野といえども免れない状況になる。
規格の統一関連では「BA通信規約の統一化・オープン化」であり,情報化関連では「情報・通信機器の汎用(28頁1〜15行)8.ビルオートメーションのオープン化動向SI単位への移行,ISO9000シリーズ,14000シリーズの導入,バリデーション・HACCPの導入,国際会計基準の導入等々,国際化の潮流は留まることを知らない。また,情報化についてもインターネット,ブロードバンドが急速に普及し,電気通信事業の自由化による通信料金の低価格化競争は,今後ますます加速し,遠・近の地理的距離格差は情報・通信という見地から激減するものと思われる。
このような国際化による諸規格の統一と情報化の進展による通信料金の低価格化は,あらゆる分野に多くのビジネスチャンスをもたらし,自由競争が激化する。建築設備の一分野であるビルオートメーション(BA)分野にも大きな影響をもたらしている。
規格の統一関連では「BA通信規約の統一化・オープン化」であり,情報化関連では「情報・通信機器の汎用品化・低価格化」である。この2つの現象によって,BA分野にコンピュータとネットワークの急激な進化の影響が起きており,(28頁1〜18.ビルオーISO900ョン・HACの潮流は留インターネの低価格化このようなによる通信ジネスチャ備の一分野きな影響を規格の統化」であり,化・低価格にコンピュており,21品化・低価格化」である。この2つの現象によって,BA分野にコンピュータとネットワークのビッグバンが起きており,2000年を契機として,BA市場は過去のトレンドとはまったく異なった展開が予測され,多種・多様なシステムが混在する不確実な時代を向かえる状況となった。
そこで本稿では,オープン化事例,オープン化通信規約の動向とシステムを構築する場合のキーマンともいうべき,システムインテグレータ(SI)の役割について考察する。
2000年を契機として,BA市場は過去のトレンドとはまったく異なった多種・多様なシステムが混在する時代を迎えている。
そこで本稿では,オープン化事例,オープン化通信規約の動向とシステムを構築する場合のキーマンともいうべき,システムインテグレータ(SI)の役割について考察する。
異なった多る。
そこで本の動向とシき,システムる。
13(27頁下から7行〜29頁4行)8.1オープン化事例BA分野のオープン化物件の実施例をまとめてみると表8.1に示すようになる。大規模事務所ビルに実用段階として実施している物件は,後楽一丁目森ビルから下3件の森ビル関連物件である。また,設計図の特記仕様書に初めてSIの常駐が記載され,SI業務を現に実施しているのもこの物件からである。このシステム構築者の中で米国のエシェロン社と契約しているネットワークインテグレータ(NI)は,現在,椛蝸ム組,高砂熱学工業,ダイダン,NTTデータ鰍フ4社のみとなっている。
実施例として,後楽一丁目森ビルのシステム構成を図8.1に示した。また,主要装置のハード・ソフト仕様を表8.2に示した。特徴としては,ローカル側のLONWORKSと中央側のTCP/IP(イーサーネット)を結合する部分にサブコントローラ(SC)と呼ぶゲートウェイを設置し,プロトコル変換と若干のデータ蓄積(積算値)を行っていることである。この物件では,当時この機能を持つ装置がスペックイン時期に国内に存在しなかったため,一部開発要素が発生したが,今後は,通信機器の品揃えが整い,汎用品化されたゲートウェイ・ルータまたはWebサーバに変わって行くことも充分に考えられる。
(28頁16〜31行)8.1オープン化事例実施例として,後楽一丁目森ビルのシステム構成を図8.1に示した。また,主要装置のハード・ソフト仕様を表8.1に示した。特徴としては,ローカル側のLONWORKSと中央側のTCP/IP(イーサーネット)を結合する部分にサブコントローラ(SC)と呼ぶゲートウェイを設置し,プロトコル変換と若干のデータ蓄積(積算値)を行っていることである。この物件では,当時この機能を持つ装置がスペックイン時期に国内に存在しなかったため,一部開発要素が発生したが,今後は,通信機器の品揃えが整い,汎用品化されたゲートウェイ・ルータまたはWebサーバに変わって行くことも充分に考えられる。
また,この例では設計図の特記仕様書に初めてSIの常駐が記載された。
その他のLONWORKS事例については,エシェロン・ジャパンのウェブサイトを参照されたい。(http://www.echelon.co.jp/solutions.html平成13年8月8日現在)システム構築者の中でエシェロン社と契約しているネットワークインテグレータ(NI)は,平成13年6月15日現在,12社まで増えている。(株式会社大林組,高砂熱学工業株式会社,ダイダン株式会社,株式会社NTTデータ,日立プラント建設株式会社,清水建設株式会社,裕幸計装株式会社,千代田計装株式会社,システム計装株式会社,日比谷総合設備株式会社,新菱冷熱工業株式会社,三田エンジニアリング株式会社)(28頁14〜8.1オープ実施例と8.1に示し8.1に示しSと中央側にサブコントコル変換である。このクイン時期が発生した品化されたって行くことまた,この駐が記載さその他のャパンのウechelon.coシステムワークイン17社となっ式会社,ダラント建設会社,千代比谷総合設エンジニアリエイト,株ン,株式会14(29頁5行〜31頁18行)8.2オープン化通信規約の動向BA分野では,従来,管理の集中・制御の分散という考えで,階層構造のネットワークを構成していたが,情報・通信技術の進展により,今後のネットワーク構成は,フラット化・シームレス化がキーワードになりつつある。ここでは,LONWORKS,BACnet,TCP/IPファミリー群の3つを取り上げ,その動向を述べる。
1)LONWORKSTMローカルから中央までの全般についてのネットワークは,フィールドバスとして米国・欧州・中国・日本等でデファクトスタンダード化しつつあるLONWORKSがBA分野で主流になりつつある。対抗馬の代表ともいえるDeviceNetとの比較を表8.3に示した。ほとんどの比較項目でLONWORKSが優っていることが分かる。LONWORKSは,OSI参照モデル7階層の全てがファームウェアとして製品化され,ネットワークを構築するツールと技術知識をサポートする体制も整備されていることから,パソコン用の既製品ソフトの操作知識と情報・通信の常識技術のスキルがあり,一定の訓練を経験すれば,ネットワークを構築できることが売りになっている。
今日,どの企業でもリストラクチャリングが叫ばれるなか,仕事のやり方を進化させ競争力のある組織に改造することが求められる状況で,意識改革の役割を果たす道具の一つとして期待できる。このようにLONWORKSは,ネットワーク構築の容易性による普及力により,デファクトスタンダード化を目指している。
2)BACnetTMBACnetは,図8.2に示すように「ANSI/ASHRAE(30〜31頁)8.2オープン化通信規約の動向BA分野では,従来,管理の集中・制御の分散という考えで,階層構造のネットワークを構成していたが,情報・通信技術の進展により,今後のネットワーク構成は,フラット化・シームレス化がキーワードになりつつある。ここでは,LONWORKS,BACnet,TCP/IPファミリー群の3つを取り上げ,その動向を述べる。
1)LONWORKSTMローカルから中央までの全般についてのネットワークは,フィールドバスとして米国・欧州・中国・日本等でデファクトスタンダード化しつつあるLONWORKSがBA分野で主流になりつつある。LONWORKSは,OSI参照モデル7階層の全てがファームウェアとして製品化され,ネットワークを構築するツールと技術知識をサポートする体制も整備されていることから,パソコン用の既製品ソフトの操作知識と情報・通信技術のスキルを持つ人が,一定の訓練を経験すれば,比較的容易にネットワークを構築できることが特徴になっている。
2)BACnetTMBACnet(ANSIASHRAE企画135-1995)プロトコルと,(30頁〜318.2オープBA分野でえで,階層信技術の進化・シームLONWOR1)LONWBA分野のてきているなどでは主照モデル7れ,ネットワする体制もソフトの操一定の訓練構築できる2)BACneBACnet135」と「電気設備学会(IEIEJ)/BAS標準プロトコル(1)」とがある。ASHRAEの規格がフィルードから中央まで一気通貫であるのに対し,IEIEJ(案)は図8.3に示すようにサブシステムより上位のインターフェース部分のみの仕様となっている。米国と日本で共通的に普及するのは,プロトコル構造がほぼ同一となるASHRAE135a・135bのBACnet/IPとIEIEJ/BAS標準プロトコル(2)になるのではないかと推測できる。
BACnetは,ISO・CENの規格としても有力視され,99年9月のISO・TC205のキャンベラ会議で,IEIEJ側から「新規のオブジェクトやサービスを追加するよう要望」したが,積算オブジェクトを除き米国側は積極的に採り入れる姿勢は見せなかったとのことである。IEIEJ側がASHRAE規格に合わせざるをえないのではないかと思われる。スケジュール的には委員会ドラフト案を99年12月末に発行し,2000年4月末までにドラフトに対する要求を出し,4月以降にドラフトに対する修正を行う予定となっており,最速のスケジュール(2000年中の見通し)でISO化に向けて作業を進めて行くことになっている。ISO化されると通常では2年程度でJIS化される。
BACnetは,このように規格化(ISO,CEN,JIS等)によるオープン化で世界制覇を狙っている。しかし,あくまでもBAに特化した規格(仕様)であり,ベンダに依存しなければネットワークの構築が難しい。また,規格の中には,オブジェクト単位のプロパティに必須項目と選択項目がある。このため,ベンダにより差違が出てくるのは必然であり,この部分をSIとして全体を取りまとめるなどの必要が発生する。
3)TCP/IPプロトコル群今後,情報・通信の進展により,オフィスオートメーション(OA)用とBA用とがサブシステム単位以下で混在することがあり得る状況になる。すなわち,OA用端末としてパソコンが1人一台の時代になる。居室単位で見た場合,空調,照明,防犯,防災,ブラインド,テレビ,放送,OA端末および有線電話・無線電話の全てがあり,ネットワークはそれぞれ別の系統となっている。設備区分という考えから,当面,防災を除いて機能別(例:省エネルギ・居室統合管理等)という考えで,居室単位に制御・データを括る等の必要が出てくるのは必然と考えられる。その場合の通信規約としては,インターネット・イントラネットとの相互乗り入れが容易なTCP/IPプロトコル群が,情報・通信機器の汎用品化・低価格化が追い風となり,2〜3年後にはビル全体のネットワークの主流の一つとなることは容易に想像できる。
「電気設備学会(IEIEJ)/BAS標準インターフェース(IEIE-P-0003:2000)」を図8.2に示す。ASHRAEの規格がフィルードから中央まで全般にわたっているのに対し,BAS標準インターフェースは図8.3に示すようにサブシステムより上位のインターフェース部分のみの仕様となっている。
米国と日本で共通的に普及するのは,プロトコル構造がほぼ同一となるBACnet/IPとIEIEJ/pになるのではないかと推測できる。
BACnetは,ISOで規格化が進められており2001年9月のスペインでの全体会議にて最終ISO案が登録される予定である。ISO化されると通常では2年程度でJIS化される。
BACnetは,このように規格化(ISO,JIS等)によるオープン化で世界標準化を図ろうとしている。しかし,現時点においてはBACnet装置(BACnet/IP)とIEIEJ/p装置との間には完全な相互運用性(インターオペラビリティ)がとれていない。電気設備学会BAS標準インターフェース仕様推進拡張委員会にてBACnetとのインターオペラビリティ確立のためASHRAEのSSPCBACnet委員会と協調活動を実施しており,最終的には,同一BAネットワーク上のBACnet装置とIEIEJ/p装置間とのインターオペラビリティが確立されることが期待されている。
BACnetやBAS標準インターフェースは,あくまでもBAに特化した規格(仕様)であり,ベンダに依存しなければネットワークの構築が難しい。また,規格の中には,オブジェクト単位のプロパティに必須項目と選択項目がある。このため,ベンダにより差異が出てくることが考えられ,この部分をSIが全体をとりまとめる必要がある。
3)TCP/IPプロトコル今後,情報・通信の進展により,オフィスオートメーション(OA)用とBA用とがサブシステム単位以下で混在することがあり得る状況になる。すなわち,OA用端末としてパソコンが1人一台の時代になる。居室単位で見た場合,空調,照明,防犯,防災,ブラインド,テレビ,放送,OA端末および有線電話・無線電話の全てがあり,ネットワークはそれぞれ別の系統となっている。設備区分という考えから,当面,防災を除いて機能別(例:省エネルギー・居室統合管理等)という考えで,居室単位に制御・データを括る等の必要が出てくるのは必然と考えられる。その場合の通信規約としては,インターネット・イントラネットとの相互乗り入れが容易なTCP/IPプロトコル上のWebなどが,情報・通信機器の汎用品化・低価格化が追い風となり,2〜3年後にはビル全体ネットワークの主流の一つとなる可能性もある。
気設備学会IEIE-P-000ASHRAっているの示すようにのみの仕様るのは,プIEIEJ/pBACnetれると通常BACnetプン化で世おいてはBの間には完れていない様推進拡張ィ確立のた活動を実施のBACneリティが確には,日本定であり,る。
BACnetに特化したットワークのクト単位のため,ベン分をSIが全3)その他今後,情(OA)用ととがあり得コンが1人合,空調,A端末およークはそれえから,当室統合管理括る等の必の通信規約互乗り入れ汎用品化・全体ネットまた,FACADA(Su+OPC(OBtBB>BUC15(31頁19行〜35頁)8.3システムインテグレータの役割コンピュータも情報・通信も設備から見れば手段系である。建物としての総合的な運用(空調,照明,受変電等の機能・運用と管理)を考えることが先決であり,それを実現するためのネットワークはどうあるべきかいう視点で,コストを踏まえて情報の質に応じた,速度,蓄積および機能分担を考慮してシステム構築できることが,SIに求められることである。また,今後は業界として,情報・通信と建築設備を統合することも必要となってくる。
1)SIの実施例…2)SIの課題@システム全体をギャランティするのはどこか…Aギャランティはどうするのか建設会社・設備会社等に所属するSIとしては,少なくとも監視・制御システムの設備工事を受注するという実態を通じて,その工事費の一部をギャランティに当てざ(32頁〜35頁)8.3システムインテグレータの役割コンピュータも情報・通信も設備から見れば手段系である。SIに求められるものは,空調,照明,受変電等の設備が良好に運用可能とすることである。そのためのネットワークはどうあるべきかいう視点で,コストを踏まえて情報の質に応じた,速度,蓄積および機能分担を考慮してシステム構築できることが,SIに求められることである。
1)SIの実施例…2)SIの課題@システム全体をギャランティするのはどこか…ASIの報酬はどうするのか建設会社・設備会社等に所属するSI業者は,少なくとも監視・制御システムの設備工事を受注するという実態を通じて,その工事費の一部を報酬に当てているのが実状であ(32頁〜358.3システコンピューる。SIに求が良好に運ークはどう質に応じたム構築でき1)SIの実施…2)SIの課題@システム…ASIの報酬建設会社監視・制御じて,そのるをえないと考えている。契約約款については,当面,四会連合協定を適用し,特殊条件については,その都度契約することとなる。
今後の展開としては,ベンチャービジネスとして,コンサルタントとSI業務だけを単独またはBAコントラクタを兼ねた設備工事会社が出現し,SI業務のみを単独で受注するケースも出てくると思うが,その場合にもギャランティについては,工事受注者側に何らかの制約条件を付けるか,ギャランティを対象とした保険的なもでカバーする必要性が出てくる。
BSIの権限と義務,費用等が未確立施行段階でのSIは,設計者と工事施工者の間に立ち監視・制御システムの全体を構築する者であり,ソフト仕様,ハード仕様とそれに合致したベンダの承認行為を行い,システム構築時のコンサルタントと施工監理・システム検証が役務となる。その報酬は,後楽一丁目森ビルの事例から教育訓練的なものを除いて考察した場合で,監視・制御システム部分の設備工事発注額のおおよそ10数%程度となっている。
C国内にオープン化対応品の品揃えが少ない表8.6にLONWORKS対応製品の一覧表を示した。
国内ベンダのLONMARK認定品は,DDCレベルのもので,後楽一丁目森ビルで採用された空調機器ベンダ(5社)とクリフ,キッツのほかは,YJCのみである。導入決定ベンダには,YBS・ハネウェル(松下電工)・東芝・日立・横河電機がある。また,I/Oユニットクラスでは,中立電気・川崎電気・渡辺電機・和泉電気・東計電算にある。
中央系からローカル系までの一気通貫のBACnet対応品ではTBS1社となっており,サブシステムより上位の中央系のBACnet対応品では,YJC1社となっている。また,YBS・松下電工ほか電機・通信機等の国内ベンダは,ISOの動向が明確になる2000年秋頃以降からBACnet対応品の出荷を開始するようである。
オープン化対応のセンサ・アクチュエータレベルの計装機器までのLONMARK認定品は,現在のところ国内ベンダにはない。今後,諸外国で製造しているLONMARK認定品とBACnet対応品が国内に輸入されてくることも充分考えられる。そのうちのSBT,TAC(日本フレクト),invensys(SEIBE),ザムソン,ワイルドミューラの5社は,LONMARK認定品の供給を開始している。
また,松下電工・ハネウェルのように,国内ベンダと海外ベンダの技術提携・業務提携なども活発化し,2000年初頭から一挙に品揃えは拡大する。また,LONMARK認定品は,現在,全世界で215品種(空調関連計装機器で78品種)となっている(1999年12月21日現在)。
IT技術の進展により,インターネット技術を応用したLON対応Webサーバも東芝・エシェロン・TAC・三菱から発売している。今後低コスト化が起因し,この方式を採用するケースが増大していくと考えられる。
これからのBAシステムにおいては,オープン化の潮流は止めようがない事実として受け入れることが大切である。その視点に立って世界に目を向け,情報・通信技術全般に視野を広げ,一歩でも早くオープン化対応技術を身につけることが,BA分野で商いを行う企業の生き残り戦略上,必須な状況となることは間違いない。
SIの展開としてはいろいろなパターンが考えられる。
大きくは新築工事対応向けと改修・更新工事対応向けとなり,SI的取り組み(付加価値をプラスするという意味で)は,改修・更新工事向けの方が取り組み易く,進捗も早く進むような感じを受けている。また,SI業務実施上の運用面では総合的SI(全体統合を担当)と部分的SI(サブシステム単位を担当)の組み合わせも考えられる。
る。
今後の展開としては,ベンチャービジネスとして,コンサルタントとSI業務だけを単独で受注するSI業者も出てくると思われる。
BSIの権限と義務等が未確立施工段階でのSIは,設計者と工事施工者の間に立ち監視・制御システムの全体を構築する者であり,ソフト仕様,ハード仕様とそれに合致したベンダの承認行為を行い,システム構築時のコンサルタントと施工監理・システム検証が役務となる。
C国内にオープン化対応品の品揃えが少ない表8.4にLONWORKS対応製品の一例を示した。対応製品は日々増加しているが,今後国産品はもちろん海外製品の輸入が増えたり,国内ベンダと海外ベンダの技術提携・業務提携などが増えたりして価格競争が進むことが予想される。
オープン化対応のセンサ・アクチュエータ等のLONWORKS対応製品は,インバータや自動弁などで開発が進みつつある。また,LONMARK会員企業数は,2001年7月現在,全世界で310社以上となっている。(http://www.lonmark.org英語のウェブサイト)IT技術の進展により,LON対応Webサーバも東芝・エシェロン・TAC等の各社から発売されている。今後は,Web方式の採用が増大していくことも考えられる。
BACnetまたはBAS標準インターフェース対応品は,メーカ各社で実際の製品が出荷されつつあり今後一層製品ラインナップが増加するものと思われる。
これからのBAシステムにおいては,オープン化の潮流はますます大きくなるものと考えられる。世界に目を向け,情報・通信技術全般に視野を広げ,一歩でも早くオープン化対応技術を身につけることが,BA分野関連企業の生き残り戦略上,必須な状況となることは間違いない。
ある。
今後の展ルタントとSと思われるBSIの権限施工段階視・制御シハード仕様ステム構築が役務となCオープンLONWOページなどが,今後国国内ベンダえたりしてオープンRKS対応つつある。
月現在,日っている。
IT技術のシェロン・Tb方式の採BACnetくの現場で加するものこれからはますます情報・通信化対応技術残り戦略上オープンネットワーク化の原動力は,ユーザー主導となると考えられる。ユーザー側がメリットを早く理解していただき,性能発注という考え方に立って,SIを有効活用して欲しいと考える。
オープンネットワーク化の原動力は,ユーザー主導となると考えられる。ユーザー側がメリットを理解して,性能発注という考え方でSIを有効活用するのが望ましい。
オープンると考えら注という考編注;番号7にある「日本のGMPの改定:平成6年1月27日厚生省/省令(医薬品の製造管理および品質管理規則)」という記載は,判決原本においては,「4.1バリデーション」から始まる記載のすぐ下に,波線で囲まれた状態で記載されている。
裁判長裁判官 清水節
裁判官 山田真紀
裁判官 東崎賢治
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