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事件 |
平成
28年
(ワ)
10458号
発信者情報開示請求事件
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原告 株式会社ポニーキャニオン 原告 株式会社ソニー・ミュージッ クレーベルズ 原告 エイベックス・ミュージッ ク・クリエイティヴ株式会社 原告 株式会社ジェイ・ストーム 上記4名訴訟代理人弁護士 尋木浩司 林幸平 亀井英樹 塚本智康 笠島祐輝 田修一郎 松木信行 石坂大輔 前田哲男 中川達也 福田祐実 被告KDDI株式会社 同訴訟代理人弁護士 光石俊郎 光石春平 主文 1 被告は,別紙対象目録記載番号1~4の「原告」欄記載 の各原告に対し,同欄に対応する「日時」欄記載の日時頃 に●(省略)●というインターネットプロトコルアドレス を使用してインターネットに接続していた者の氏名,住所 及び電子メールアドレスを開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 主文と同旨 第2 事案の概要 本件は,レコード製作会社である原告らが,一般利用者に対してインターネ ット接続プロバイダ事業等を行っている被告に対し,原告らが送信可能化権を 有するレコードに収録された楽曲を氏名不詳者が無断で複製してコンピュータ 内の記録媒体に記録して蔵置し,被告の提供するインターネット接続サービス を経由して自動的に送信し得る状態にすることにより,原告らの送信可能化権 が侵害されたと主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び 発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4 条1項に基づき,被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である。 1 請求原因(原告らの主張) ?ア 別紙対象目録記載番号1~4の「レコード製作者」欄記載の者は,同欄 に対応する「実演家」欄記載の実演家が歌唱する「楽曲」欄記載の楽曲を 録音したレコード(以下「本件各レコード」と総称する。)を製作の上, 「発売年月日」欄記載の日に「CD(商品番号)」欄記載の商業用12セ ンチ音楽CDに収録して日本全国で販売したものである。 イ 原告株式会社ソニー・ミュージックレーベルズは,平成26年4月1日, 株式会社エピックレコードジャパンを吸収合併した。 ウ エイベックス株式会社は,平成10年4月1日にエイベックス・ディ ー・ディー株式会社を吸収合併した後,平成16年10月1日に商号変更 した上でエイベックス株式会社(平成17年4月1日にエイベックス・エ ンタテインメント株式会社に商号変更)を新設分割し,エイベックス・エ ンタテインメント株式会社は平成26年7月1日に原告エイベックス・ミ ュージック・クリエイティヴ株式会社(当時の商号はエイベックス・マー ケティング株式会社)に吸収分割して,それぞれ別紙対象目録記載番号3 の「楽曲」欄記載の楽曲に関する送信可能化権を含む音楽映像事業の権利 義務を承継させた。 ? IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)●(省略)●(以下 「本件IPアドレス」という。)の割当てを受けてインターネットに接続し てファイル共有ソフトウェアであるGnutellaと互換性のあるソフト ウェアを用いた何者かは,前記各楽曲をmp3ファイル形式に変換,複製し て音楽ファイルを作成し,別紙対象目録記載番号1~4の「日時」欄記載の 日時に,同欄に対応する「楽曲」欄記載の各楽曲に係る上記音楽ファイルを, 不特定の他の上記ソフトウェア利用者からの求めに応じてインターネット回 線を経由して自動的に送信し得る状態に置いた。 ? 被告は,上記日時に被告の提供するインターネット接続サービスを利用し て本件IPアドレスの割当てを受けてインターネットに接続していた者(以 下「本件各契約者」という。)についての住所,氏名及び電子メールアドレ スの情報(以下「本件発信者情報」という。)を保有している。したがって, 被告はこの情報に関してプロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提 供者」に当たる。 ? 原告らは,本件各契約者に対し,本件各レコードについて有する送信可能 化権の侵害に基づく損害賠償請求及び差止請求を行う必要があるが,本件各 契約者の氏名,住所等が不明であるため,本件発信者情報の開示を受けるべ き正当な理由がある。 2 請求原因に対する認否(被告の主張) 請求原因?は不知,同?のうち本件IPアドレスを用いた電気通信の存在は 認め,その余は不知,同?は認め,同?は争う。 第3 当裁判所の判断 1 請求原因について ? 後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,請求原因?ア(甲3の1~4), イ(甲9)及びウ(甲10~19)並びに?(甲2の1~4,甲7,8)の 事実が認められる。 上記事実関係によれば,別紙対象目録の「日時」欄記載の日時に本件IP アドレスを用いてインターネットに接続していた本件各契約者は,Gnut ella及びこれと互換性のあるソフトウェアのネットワークを介して前記 各音楽ファイルを多数の者に対し送信可能な状態にしていたものであるとこ ろ,本件において,著作権法102条1項により準用される同法30条以下 に定める著作隣接権の制限事由が存在することはうかがわれないから,本件 各契約者が各原告の本件各レコードに係る送信可能化権(同法96条の2) を侵害したことが明らかである。 ? 以上に説示したところによれば各原告は本件各契約者に対して著作隣接権 侵害を理由に損害賠償請求権等を行使し得るところ,本件各契約者の氏名, 住所等を覚知する手段が他にあるとうかがわれないから,本件発信者情報を 有し,この情報に関しプロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供 者」に当たる(請求原因?。当事者間に争いがない。)被告に対し,その開 示を受けるべき正当な理由がある(請求原因?)ということができる。 2 結論 以上によれば,各原告の請求はいずれも理由があるから,これを認容するこ ととして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官 長谷川浩二 裁判官 萩原孝基 裁判官 中嶋邦人 |
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裁判所 | 東京地方裁判所 |
判決言渡日 | 2016/06/23 |
権利種別 | 著作権 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
事実及び理由 | |
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全容
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